低価格ジム・チョコザップ「初心者向けに割り切り、気軽に使えるあって当たり前のものにしたい」…RIZAPグループ・瀬戸健社長

AI要約

スポーツジムを運営するRIZAP(ライザップ)グループが、無人営業の低価格ジム「チョコザップ」の店舗数を急拡大させている。

会員数は120万人と業界トップの企業に成長させた瀬戸健社長に話を聞いた。

初心者向けの運動を促進するチョコザップの成功事例に迫る

 スポーツジムを運営するRIZAP(ライザップ)グループが、無人営業の低価格ジム「チョコザップ」の店舗数を急拡大させている。宮崎市への出店で、すべての都道府県への進出を達成した。会員数は120万人と業界トップの企業に成長させた瀬戸健社長に話を聞いた。(聞き手・川口尚樹)

 ――チョコザップを始めたきっかけは。

 「一人ひとりに寄り添って個別指導するライザップの業態でノウハウをつけ、自信を深めた一方で、人や場所、時間の制約がコストに跳ね返るなど、拡大する中で限界も感じていた。

 そんな中でコロナ禍となり、ジムは不要不急の存在だといわれて休業を余儀なくされたため、人を配置することを前提としない非対面型のジムをテストした。入退会や受け付けを含め、対面が前提だったことをデジタル技術を使って無人で行うことで、安い価格で使ってもらえる店舗の運営ができるのではないかと考えた」

 ――運動を始めたばかりという人がターゲット。

 「痩せるとか、理想の体を目標にするとか、これまではジムをとても特別なものにしてしまった面がある。初心者にとってジムは肩身が狭かった。

 筋トレの上級者を別にすると、多くの人は運動に対して高い目的意識を持っていない。それでも、『今より健康になりたい』『運動不足を解消したい』といった人は大勢いる。いわゆるライト層と呼ばれる人たちを狙っている。

 こうした層を取り込むには、様々な障害を取り除く必要がある。着替えずスーツのままで運動できたり、運動以外のカラオケなどの目的で来店したりと、でかける動機をいくつも作る店にしている。あえてベンチプレスを置かないといった、上級者にとっては物足りなくして、初心者向けに割り切った店舗の形態だ。

 それでも、チョコザップをきっかけに、本格的に運動を始めたいとライザップに入会するケースは着実に増えている。相乗効果も出ている」

 ――ハイペースな出店で、将来はコンビニ並みの1万店体制を目指している。