円安で国内消費は「壊滅状態」に…日本経済をぶっ壊す「スタグフレーション」のヤバい現状

AI要約

日本の景気が深刻な状況に陥っており、消費の低迷やスタグフレーションが問題となっている。

最新の経済データから、GDPのマイナス成長や実質賃金の減少などが明らかになっている。

物価上昇による円安の影響や住宅投資の低迷など、日本経済の深刻な状況が続いている。

円安で国内消費は「壊滅状態」に…日本経済をぶっ壊す「スタグフレーション」のヤバい現状

 足元で日本の景気が深刻な状況に陥っている。消費の低迷が著しく、ここまで状況がひどいのはリーマンショック以来といってよいだろう。物価上昇に賃金が追い付かず、日本経済は完全にスタグフレーションの様相を呈してきた。

 内閣府が発表した2024年1~3月期のGDP(国内総生産)成長率は、物価の影響を考慮した実質で0.5%のマイナスとなった。年率換算では2.0%のマイナス成長である。政治の裏金問題が世間を賑わしているせいか、あまり大きな話題にはなっていないようだが、日本経済の現状はかなり深刻だ。

 数字が悪かったのは1~3月期だけではない。2023年7~9月期はマイナス0.9%、10~12月期も何とか0%を維持したものの、速報値ではマイナスだった。つまり日本経済は3四半期連続で事実上のマイナス成長に近い状況であり、一般的に2四半期連続でマイナスになるとリセッション(景気後退)と判断されることを考えると、国内の景気は相当、悪い。

 景気が落ち込んでいる最大の理由は消費の低迷である。

 今の日本経済は、物価上昇に賃金が追い付いておらず、労働者が受け取った名目賃金から物価上昇率分を差し引いた実質賃金は何と24か月連続でマイナスとなっている。賃金が上がらなければ国民は消費したくてもできないので、数字は低迷せざるを得ない。

 物価が上昇しているのは言うまでもなく円安の影響であり、食品を中心に商品の値上げが続いている。

 日本人の食卓は多くが輸入品で占められており、為替の影響を受けやすくなっている。日本人はコメを主食にしていると漠然とイメージしている人も多いかもしれないが、現実はまったく異なる。自身の食生活を振り返ってみれば良く分かると思うが、朝にコーヒーと食パン、昼食にはパスタ、夕飯にハンバーグというメニューは特段珍しいものではないはずだ。だが、これらの品目はほとんどが輸入品もしくは輸入品を原料にしており、円安の影響をモロに受けてしまう。

 食品など生活に直結する支出は大幅には減らせないので、食費が値上がりした分、衣類や家電など他の消費を減らすことになり、全体の消費は低迷する。

 それだけではない。今の日本は家電やスマホ、パソコンなど、生活に必要となる電化製品の多くも輸入に頼るようになった。食費の高騰で家計に余裕がなくなり、電化製品についても値上がりが続いているため、これらの購入頻度はさらに低下してしまう。

 今後、景気の足をさらに引っ張る可能性が出てきているのが住宅投資である。民間住宅投資は2023年7~9月期がマイナス0.9%、10~12月期がマイナス1.4%、2024年1~3月期はマイナス2.5%と、状況は悪くなる一方である。

 都市部を中心にマンション価格は値上がりが続いており、首都圏における2023年の新築マンション平均販売価格は8101万円と前年比で28.8%もの上昇となった。ここまで価格が高くなると、もはや庶民では手が出せない水準であり、当然の結果としてマンションの販売戸数は減少し、GDPにおける住宅投資もマイナスとなる。

 これらの原因はすべてインフレ(物価上昇)であり、完全にインフレが経済の足を引っ張っている状況だ。