中国の土地売却収入、8年ぶり低水準-住宅危機の深刻さ浮き彫り
中国の地方政府の土地売却収入が8年ぶりの低水準に落ち込み、住宅市場の深刻な状況が浮き彫りとなっている。
地方政府が土地を不動産開発会社に売却した4月の収入は前年同月比21%減の2389億元と、2016年以来の最低水準を記録。
不動産不況により地方政府の予算収支が悪化し、政府は住宅市場の救済策を模索している。
(ブルームバーグ): 中国で地方政府の土地売却収入が8年ぶりの低水準に落ち込んだ。住宅危機の深刻さがあらためて浮き彫りとなっている。
地方政府が不動産開発会社に土地を売却することで得た4月の収入は前年同月比21%減の2389億元(約5兆1700億円)と、2016年5月以来の低水準を記録。財政省が20日発表したデータに基づきブルームバーグが算出した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の朱懌エコノミストは、「4月の住宅販売・投資データが悪かったことに加え、住宅不況が深刻化していることを示す新たな証拠だ。政府による追加資金投入の緊急性を高めるもので、政府はそれに対処している」との見方を示した。
不動産不況は家計支出を押し下げ、公有地使用権の売却を通じ収入の大半を得ている地方当局の予算収支を悪化させている。
中国当局は先週、住宅ローン規制を緩和し、売れ残った住宅を地方政府に買い取らせる計画を発表。不動産市場の救済を狙ったこれまでで最も強力な試みだが、当局がこの計画をどのように実行に移すかについては疑問も呈されている。
ゴールドマン・サックス・グループは、土地売却収入が今後数四半期あるいは数年続く長期的な減少圧力に直面すると予想。
エコノミストやアナリストが執筆した21日のリポートで、継続的な政策支援にもかかわらず、不動産デベロッパーの資金繰りが依然として改善されず、政策の優先度は引き続き建設が滞っている住宅の完成が上位だと説明し、そのため、土地購入や新規着工に向けたファイナンスの減少が示唆されていると指摘した。
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原題:China Land Sales Hit Eight-Year Low as Housing Slump Worsens (1)(抜粋)
--取材協力:Ailing Tan.
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