世界が羨む日本限定ウォッチ──カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」、ブレゲ「マリーン クロノグラフ 5525」「マリーン 5515」

AI要約

日本の要望に応え、特別に開発される限定ウォッチの魅力。

日本市場の重要性と各メーカーが日本限定モデルをリリースする理由。

カルティエとブレゲが日本限定モデルを発表し、その特徴について。

世界が羨む日本限定ウォッチ──カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」、ブレゲ「マリーン クロノグラフ 5525」「マリーン 5515」

日本のリクエストに応えて、スイス本社が特別に開発し、製造する限定ウォッチを厳選。世界の時計好きが羨む特別なモデルの魅力に迫る。

世界でも一目置かれる日本市場。市場規模こそアメリカや中国には及ばないものの、目利きが多い点では群を抜いている。事実、ある時計メーカーのCEOは「デザインをイタリアで、質を日本で評価されることが時計メーカーにとっての名誉」と語ったほどだ。

そう考えると、1980年代から今に至るまで、各社が凝ったディテールを持つ日本限定モデルをリリースするのは当然だろう。一方で、各メーカーは地域ごとのリミテッドエディションを作りたがらなくなっている。生産コストが増え、商品管理も難しくなるためだ。しかし、各社の評価を反映してか、今なお日本限定モデルは少なくない。

日本進出50周年を記念して限定モデルを作り上げたのはカルティエである。アイコニックな「サントスドゥカルティエ」に、モノトーンの文字盤を加えたふたつのモデルは、レギュラー版と思うほど、高い完成度を誇る。

また名門のブレゲも、銀座ブティックの新装を祝うべく、特別な文字盤の「マリーン」を発表した。しかも、ギョーシェ文字盤を2トーンに色分けするという凝りようだ。日本でしか手に入れることのできない特別な限定モデル。細部に目を凝らせば、各社の日本に対する敬意を感じ取れるに違いない。

「CARTIER サントス ドゥ カルティエ」

インデックスはメタル仕上げのアプリック。普通は白文字盤に合わせるが、グレーに合わせたのがユニークだ。サテン仕上げのゴールドとともに、控えめな印象を与える。18KYGケース&ブレスレット、自動巻き、ラージモデル(縦47.5×横39.8mm)、日本限定50本。

「CARTIER サントス ドゥ カルティエ」

禅を思わせるモノトーン文字盤。グレーを使うと一般的に視認性が下がるが、文字盤の下地を荒らし、ミニッツインデックスを風防裏から転写して個性と実用性を両立。SSケース&ブレスレット、自動巻き、エクストララージモデル(縦51.3×横43.3mm)、日本限定220本。

「BREGUET ブレゲ マリーン クロノグラフ 5525(左)」

文字盤にギョーシェを採用するクロノグラフ版。銀メッキを加えた後、ブラックのペイントを施した。色を重ねたにもかかわらずギョーシェが残っているのはさすがブレゲ。18KWGケース×ラバーストラップ、自動巻き、42.3mm径、日本限定25本。

「BREGUET ブレゲ マリーン 5515(右)」

製作が非常に難しいツートーンのギョーシェ文字盤を採用。ブレゲはコンプリケーション級の凝ったディテールを日本限定モデルに展開した。文字盤製造の手間を考えれば、限定25本も納得だ。18KWGケース×ラバーストラップ、自動巻き、40mm径、日本限定25本。

文・広田雅将

編集・神谷 晃(GQ)