ソーシャルメディア企業の個人情報管理、不十分と米当局 AI訓練利用念頭に

AI要約

米FTC報告書によると、ソーシャルメディア企業はユーザーデータの管理が不十分であり、プライバシーに対する懸念が高まっている。

企業は大量のデータを収集し、AI開発のために活用しているが、その透明性や管理が不十分な状況が続いている。

広告業界は報告書を批判し、消費者が広告付きサービスの価値を認識していると主張している。

ソーシャルメディア企業の個人情報管理、不十分と米当局 AI訓練利用念頭に

[19日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は19日公表した報告書で、ソーシャルメディア企業が、ユーザーに関する膨大な情報を収集、共有、処理しているが、AI(人工知能)を組み込んだシステムでの使用方法を含め、情報利用の透明性や管理はほとんど行っていないと指摘した。

テック大手は、AI開発でしのぎを削るなか、AI訓練のために大量のデータを収集しようとしている。

FTCは、メタ、字節跳動(バイトダンス)傘下のTikTok(ティックトック)、アマゾンのTwitch、ユーチューブ、X、スナップ 、ディスコード、レディットなどが、ユーザーデータをどのように管理しているかを分析した。調査結果は匿名化されており、具体的な企業名や事例は示していない。

報告書は、ソーシャルメディア企業がネット広告のトラッキング技術を駆使したり、ブローカーから購入するなどしてデータを収集しているが、多くの企業がデータの管理や保持の体制が「極めて不十分」と指摘した。

カーンFTC委員長は「企業にとっては収益的にプラスだが、こうした監視行為は人々のプライバシーを危険にさらし、自由を脅かし、個人情報の盗難やストーカー行為など多くの危険をもたらす可能性がある」と述べた。

FTCによると、調査対象企業の大半が、ユーザーのサービス利用状況に加え、ユーザーの年齢や性別の情報も収集、または他の情報に基づき推測していた。ユーザーの収入や学歴、家族に関する情報まで取得していた企業もあったという。サービスを利用していない個人のデータを収集している企業や、データの収集・利用方法を完全に特定できていない企業もあったとしている。

広告業界団体は19日、FTCの報告書を批判し、消費者は広告付きサービスの価値を認識していると述べた。