米UAW地方支部がステランティスでスト投票へ、労働協約違反と批判

AI要約

全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン会長は、ステランティスでのストライキ実施の是非を組合員投票で問う方針を発表。タバレスCEOの労使協約不履行を批判し、行動準備を示す。

ステランティスがSUV生産を米国外に移管する計画を伝えず、UAW支部がグリーバンスを申し立て。新しいバッテリー工場の投資計画も遅れており、不満表明。

バッテリー工場はEV生産の象徴で、UAWの雇用確保能力を示す重要な施設となっている。

米UAW地方支部がステランティスでスト投票へ、労働協約違反と批判

Nora Eckert Abhirup Roy

[デトロイト 17日 ロイター] - 全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン会長は17日夜、地方支部の一部が今後数日中に欧米系自動車大手ステランティスでストライキを実施することの是非を問う組合員投票を行うとの方針を発表した。

フェイン会長は、ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が過去数カ月間にわたり、生産や設備投資に関する労使協約を履行しないためだと批判。「われわれは行動を起こす準備をしている」と表明した。UAWは昨年秋、ストを6週間実行した後、ステランティスと生産などに関し新しい労働協約を交わしていた。

しかし、最近同社はスポーツタイプ多目的車(SUV)「ダッジ・デュランゴ」の生産を米国外に移管する計画がうかがわれるが、UAW支部の一部は同社がそうした情報を伝えるのを拒否していると反発。同社に労使関係の手続きに則った苦情(グリーバンス)を申し立てたほか、独立行政機関の全米労働関係委員会(NLRB)に対し、生産計画に関わる情報の不開示は不当労働行為に当たると訴えた。

フェイン会長はまた、同社が中西部イリノイ州ベルビディアに計画している新しいバッテリー工場と製造施設の設備投資についても言及し、数十億ドル規模の投資計画が遅れていると改めて怒りを表明した。同工場を巡っては、昨年の全国ストを通じて、電気自動車(EV)生産へシフトする中でもUAWが雇用を確保できる能力を示す象徴となっている。