FDIC、フィンテック企業顧客の口座記録要件厳格化を提案

AI要約

米連邦預金保険公社(FDIC)は、フィンテック企業の顧客口座の管理記録要件を厳格化する提案をした。これは、シナプス・ファイナンシャル・テクノロジーズの経営破綻により顧客が口座凍結されたことを受けた措置だ。

提案によると、銀行はフィンテック企業と取引する際、関連口座の受益者と残高を特定する義務を負う。これにより、顧客が資金にアクセスできる状況が改善される。

また、FDICは、1000億ドルを超える規模の銀行合併への監視強化に向けた新たな指針を発表し、司法省も合併指針の一本化を発表した。

FDIC、フィンテック企業顧客の口座記録要件厳格化を提案

Hannah Lang

[17日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は17日、監督対象の銀行に対して、フィンテック企業の顧客口座の管理記録要件を厳格化することを提案した。フィンテックのシナプス・ファイナンシャル・テクノロジーズが今年経営破綻し、多数の顧客が口座凍結される事態になったことを受けた動きだ。

この提案によると、フィンテック企業と取引している銀行は関連口座の受益権者と残高を特定する義務を負う。万が一フィンテック企業が破綻しても、銀行が情報を持っているため、顧客は適宜自分の資金にアクセスすることができるようになる。

シナプスは4月に破産申請し、関連口座が凍結された。まだ正確な凍結口座の数は判明していないが、規制当局の推計では最大数万件に上る恐れがある。またその後の調査で、シナプスの提携銀行の口座に残された資金は、顧客の預金残高合計より8500万ドル少ないことも分かっている。

FDICは、資産1000億ドルを超える規模の銀行合併への監視強化に向けた新たな指針を取りまとめた。全体の内容は3月の提案時点とおおむね同じだった。

一方司法省は、1995年に銀行セクターの合併だけを対象に策定した指針を撤回し、今後は全産業向けの合併指針に一本化すると発表した。