ドイツ財務省、コメルツ銀行株全株売却の計画を堅持-関係者

AI要約

ドイツ財務省はコメルツ銀行株の全株を売却する計画を堅持しており、前回の売却では90日間の制限を設けた。現在は12%の保有率を維持している。

追加売却には政府内での承認が必要で、ドイツ政府は完全売却に同意済み。財務省は最高価格での売却を目指し、ウニクレディトが追加取得しても同じ方針を維持するという。

財務相は連立与党の一員で、FDPは政府の介入に反対する一方、SPDは好意的。今後の進め方については徹底的に分析し、決定するとしている。

ドイツ財務省、コメルツ銀行株全株売却の計画を堅持-関係者

(ブルームバーグ): ドイツ財務省は保有するコメルツ銀行株の全株を売却する計画を堅持している。事情に詳しい関係者が明らかにした。先週売りに出した株式を全てイタリアのウニクレディトが取得するという予想外の事態も起きたが、計画は変わっていないという。

ドイツ政府が持つコメルツ銀行株を監督しているのは財務省だが、保有株の追加売却には、政府のさまざまな省庁の代表から成る委員会で全会一致の承認を必要とする。ショルツ首相の首相府もこの委員会に加わっており、追加売却について首相府も財務省と同じ見解なのかは明らかでない。

ドイツ連立与党はこれまでにコメルツ銀行株の完全売却で合意済みで、今のところそれが財務省の意向であり続けていると、関係者は説明。たとえそれでウニクレディトが追加取得することになろうとも、株式を継続保有するよりも可能な限り高い価格で売ることが目的だと、非公開の協議内容だとして匿名を要請した関係者は述べた。

財務省の代表は「ドイツ連邦政府は発生した状況を徹底的に分析し、今後の進め方についていずれ決定する」と語った。

リントナー財務相は連立与党の一角を占める自由民主党(FDP)のメンバーで、同党は経済における政府の強力な役割に反対する。一方、ショルツ首相の社会民主党(SPD)は政府介入にはるかに好意的な立場を取る。

ドイツ政府は前回の売却時に、コメルツ銀行株の追加売却を90日間は制限すると公約。現時点で同行株をまだ12%保有し、筆頭株主であり続けている。

原題:German Finance Ministry Plans to Keep Selling Commerzbank Shares(抜粋)

--取材協力:Michael Nienaber、Iain Rogers.

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