設定温度1℃下げvs.風量を強にするの実験で電気代は約2倍の差…残暑が続く中でのエアコン節約“最終報告”

AI要約

エアコンの設定温度を下げずに風量を増やすことで、体感温度を下げる節電方法が紹介されている。

風量を増やすことでコンプレッサーの作動を避け、電気代を節約できることが実験結果から示されている。

サーキュレーターや扇風機を活用して、風で体感温度を下げる方法も紹介されている。

■冷房の重要ポイント風で体感温度を下げる

 夏場、家庭で使う電気代の3~4割はエアコンによるものといわれます。「命の危険」があるほどの暑さが続く今年。どれだけ電気代が高騰しても、エアコンを止められないのが悩ましいところです。でもちょっとした工夫で、快適さを残したままエアコンの電気代を節約する方法があります。

 なかでもこの夏、SNSなどで話題になったのが、エアコンの設定温度を下げずに風量を増やすことで、体感温度を下げるという節電方法です。きっかけは、エアコンメーカーの「ダイキン」が今年4月に発表した実験結果。エアコンを使っても暑く感じるような真夏の日中、設定温度を1℃下げるのと、風量設定を「強」にしたときの電気代の差が公開されたのです。

 風量を強にしても、ファンの回転が速くなるだけで、使われる電力はそれほど変わりません。一方、温度を下げるためにはコンプレッサーが作動するので、わずか1℃下げるだけで約13%も追加の電気代がかかります。実験でも、風量を強にする場合と、設定温度を1℃下げる場合では、設定温度を下げるほうの電気代が約2倍かかったという結果でした。屋外で風に当たって、体感温度が下がった経験をした人は多いはず。電気代の差は大きいので、ぜひ試したい節電方法となっています。

 風が当たると、体感温度は低くなるという効果を利用して、サーキュレーターや扇風機を活用するのもひとつの手です。実はサーキュレーターと扇風機は、どちらも風を出す道具でありながら、用途がまったく違います。

 まずサーキュレーターは、空気を攪拌して部屋の場所による温度差をなくす道具で、直進的な強い風が遠くまで届くようになっています。部屋の上部に溜まりやすい温かい空気を攪拌して、床のほうに温かい空気を送ることを得意とするので、冬に力を発揮する家電といえます。

 一方の扇風機は、涼むために人に向けて風を送る道具で、広く柔らかい風が出ます。もし夏限定で使うのなら、扇風機をお使いになることをおすすめします。

 扇風機を購入するときに忘れたくないのが、ACモーターなのか、DCモーターなのかをチェックすること。おすすめは、細かい設定ができるほか、ふんわりした風が出て音も静かなDCモーターの扇風機です。もともと電気代はそれほどかからない扇風機ですが、DCモーターならさらに安い。消費電力が少ないので、バッテリーなどで動くものも出ています。

 このようにエアコンの節電法は、風量を増やしたり、扇風機の助けを借りたりして、コンプレッサーをいかに作動させないかという工夫がポイント。東京ガスの調査によると、設定温度を26℃から28℃に変えるとひと夏に4114円の節約ができるそうですから、風をうまく使いたいものです。