ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 福島県「マルト」年間380万個の逸品 漁師町の餃子はニンニク増量が決め手! 年間400万本以上の焼き鳥にも脚光

AI要約

福島県・浜通りのご当地デリカ「マルト」について紹介。

東日本大震災後の危機を乗り越え、品質強化を図ったマルトの成功事例。

マルトの看板商品であるジャンボ餃子の人気の秘密や製造工程について。

ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 福島県「マルト」年間380万個の逸品 漁師町の餃子はニンニク増量が決め手! 年間400万本以上の焼き鳥にも脚光

その土地の隠れ名物はご当地スーパーのデリカ(惣菜・弁当)にある。今回は福島県・浜通りの食文化に育まれたご当地デリカをご紹介!

 福島県いわき市を拠点とする「マルト」(37店舗)は、1964年の創業時から「地元食材を使った体に優しい料理を」という思いで惣菜を作り続けてきた。いわば「もう一つの家庭の味」である。

 だが東日本大震災後、地域の食生活を守るため「大量製造の安売り」に傾倒。しばらくは地元客から感謝されたが、復興が進むほど客足は大手スーパーに奪われた。その危機を脱するべく「日本一おいしい惣菜を作る」を社員一丸で共有。2019年「定番惣菜を専門料理に高める」という目標を掲げた。

 幸いにも看板商品の餃子、焼き鳥、カツ丼は好調を維持。この3品を中核に品質強化を推進した。デリカ部門の全店年商は改善前の51億円から60億円に復活。全年商に占める惣菜比率は15%に跳ね上がっている。

 マルトといえば餃子。餃子といえばマルト。そう言わしめるほどマルトの「ジャンボ餃子」は地元に根付いている。年間販売数は380万個以上(全店)。

 おいしさの決め手は、普通の餃子に比べ5割増も投じるニンニクだ。地元の小名浜港は全国屈指のカツオ水揚げを誇り、古くからカツオ料理が盛況。その薬味に使うニンニク風味が食文化に根付いており、餃子もパンチあるニンニク風味が大人気なのだ。

 また、モチモチと口当たりよい皮の食感も自慢だ。これは当日製造ならではの新鮮さが先立ってこそ。餃子の皮も具材も毎日深夜に仕込まれ、夜中に製造した包みたての生餃子が毎朝各店に出荷される。そして焼きたての餃子が惣菜売場に陳列される。餃子は冷凍保存と相性がよいので、スーパーの惣菜では業務用冷凍餃子を仕入れて商品化するケースが多いが、マルトはそれを否とする。

 モチモチ食感を演出する皮の厚さは、普通の餃子の倍の約2mm。その心地よいモチモチ食感は冷凍保存では再現できないという。さらに普通の約1.5倍・1個45g(相場の倍)のボリュームも大人気。具材はキャベツ、ニラ、豚肉、玉ネギで,国産原料にこだわる。いずれも食感が生きるよう大きめにザク切りしており、具材の存在感が際立つザク切り食感が味わえる。