親が抱えたお金の悩みが子どもへと連鎖する?データが示す「収入と貯金」への影響

AI要約

子どもの頃に見た「親がお金で困る姿」が、収入や貯金に影響を与える可能性がある。

経済格差の連鎖には、教育への資金とメンタル的な要因が影響している。

調査結果では、親がお金に苦しむ姿を見た人は低収入になる傾向があり、貯金も少ない傾向がある。

親が抱えたお金の悩みが子どもへと連鎖する?データが示す「収入と貯金」への影響

子どもの頃に見た「親がお金で困る姿」。それがいつしか大きなメンタルブロックとなって、収入や貯金に影響を与えることもあるといいます。本記事では、延べ15万人に「お金の最適解」を教えてきた三凛さとし氏の著書『金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法』(KADOKAWA)より、一部を抜粋、再編集して、親から子どもに連鎖する「お金の悩み」について詳しく紹介します。

子どもの頃に「親がお金で苦労する姿」を見て育った人は、成人してから金銭的な面でさまざまな悩みに直面する傾向があります。経済格差の連鎖には、教育への資金の多少に加えて、メンタル的な要因も大きいというのが私の考えです。

その相関関係を調べるために調査を実施しました。30歳以上60歳未満で、子どものいない未婚の男女、全国1,688人にインターネットでアンケートを行ったものです(2022年、合同会社serendipity調べ)。

まず、「幼少期に見た、お金に対する親の様子」に関する質問結果から、親がお金に苦しむ姿を「見てきた」グループ(692人)と、「見てこなかった」グループ(305人)を抽出。各グループの年収、貯金額、お金の悩みを比較しました。

年収について、明確な差が表れたのは「0円~300万円未満」の人と、「500万円~1,200万円未満」の人でした。低収入と言える前者では親がお金に苦しむ姿を「見てきた」人の割合が多く、高収入と言える後者では「見てこなかった」人が2倍ほどの割合になりました。

この結果から、幼少期に親がお金に関することで苦しむ姿を見て育った人は低収入になる傾向があり、表現を変えれば「高収入になることができない」傾向があると言えます。

貯金の有無にも同様の傾向が見られました。「貯金がない」と答えた人の割合は、親がお金に苦しむ姿を「見てきた」グループ(23.4%)と、「見てこなかった」グループ(13.1%)を比べると、約1.8倍もの差がありました。