「給与は増えても手取りは変わらない」のに…民間の平均年収「458万円」は、国会議員の給与「3.5ヵ月分」の悲惨

AI要約

日本人の給与実態について国税庁の調査結果をもとに分析。給与の構成や勤続年数、年齢別など様々な視点で給与の実態を明らかに。

男性と女性の給与分布には大きな差異があり、勤続年数や年齢によっても給与額に変化があることが分かる。

年間給与800万円超の者が少ない中、その税額が全体の大部分を占めている状況についても報告。

「給与は増えても手取りは変わらない」のに…民間の平均年収「458万円」は、国会議員の給与「3.5ヵ月分」の悲惨

国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』などをもとに日本人のお金事情について見ていきます。

所得税、住民税……日本は累進課税ですから、給与が上がったら比例して課税率も上昇します。「給与は増えたけど手取りは全然変わらない」といった声は、よく聞かれるものです。実際、国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』には、「日本でお金を稼ぐこと」の悲しい現実が露わになっていました。

まずは給与の構成比別に見ていきましょう。男性の給与分布で最も多いのは「400万円超~500万円以下」で17.7%。「300万円超~400万円以下」が15.5%、「500万円超~600万円以下」が14.2%と続きます。

女性の給与分布を見ていくと、最多は「100万円超~200万円以下」で21.5%。「200万円超~300万円以下」が20.0%、「300万円超~400万円以下」が17.9%と続きます。

勤続年数別の平均給与を見ていくと、男性の場合、35年未満までは勤続年数が長くなるにしたがい高くなっています。もっとも給与が良いのは、勤続年数30~34年の階層(789万円)。女性の場合は、勤続年数30~34年の階層(495万円)が最も高くなっています。

1人当たりの平均給与を年齢階層別にみると、男性では60歳までは年齢とともに平均給与も高くなり、55~59歳の階層で平均702万円と、最も高い給与を受け取る傾向にあります(女性の場合は年齢別の顕著な差は見られませんでした)。

真面目に働き続ければ、コツコツお金は増えていく……と考えたいところですが、では課税額はどうなのか。

1年を通じて勤務した給与所得者について、給与所得者数及び税額を給与階級別にみると、1年を通じて勤務した年間給与額800万円超の給与所得者は554万人で、全体の給与所得者の10.9%にすぎません。しかしその税額は合計7兆8,256億円で全体の66.5%を占めています。

日本人口が現在約1億2,400万3,000人、そのうち労働世代(15歳~64歳)は約7,374万人です(総務省人口推計/2024年〔令和6年〕3月1日現在〔確定値〕)。およそ7,374万人のうち年間給与800万円超えがわずか554万人しかいないことも驚きですが、納税額には目を見張るものがあります。