FFなんてロータスじゃない! 最後は韓国車になったんでしょ? 乗ればめちゃくちゃロータスっぷりを味わえるのに正当評価が得られなかった「2代目エラン」の悲劇

AI要約

ロータス・エランは、2代目においても高い評価を受けているスポーツカーである。

開発に際してはGMグループの影響を受け、エンジンにはいすゞジェミニの4XE1が採用された。

シャシーにおいては、初代から進化を遂げたX字型バックボーンフレームが採用されている。

FFなんてロータスじゃない! 最後は韓国車になったんでしょ? 乗ればめちゃくちゃロータスっぷりを味わえるのに正当評価が得られなかった「2代目エラン」の悲劇

 ロータス・エランはコーリン・チャップマンによる優れたコンパクトスポーツとして、いまだに賞賛の止まないモデルですが、2代目エランについては意見がわかれているようです。FFのロータスなんて認めないとか、いすゞエンジンなんてノーサンキュー、あるいは「最終的に韓国で作ったとか草」と、わりかしディスられていることが少なくありません。

 が、筆者を含めて一度でもドライブしてみた方ならそうした意見がまったくの見当違いであること、よくご存じかと。なにしろ、ロータスのエンジニアリングチームは、当時「おそらくロータス史上最速のクルマだ」とさえコメントしているのですから。

 2代目のエランがデビューしたのは1990年のことですが、1986年にロータスはGMグループに取り込まれていました。したがって、開発についてGMの意見が強く反映されるのは致し方ないところかもしれません。なお、買収される以前の1976年から2代目エランの構想は存在し、当時提携関係にあったトヨタのエンジンを前提とした4A-GEエンジンを搭載したプロトタイプ「X100」が作られたこともありました。

 しかし、グループが変わって4A-GEが使えない以上、ロータスはGMグループ企業のなかからエンジンを選ぶことに。そこで、コンペティションが行われて、最終的に三菱ミラージュのサイボーグユニットといすゞジェミニの4XE1が候補として残りました。ここでいすゞがレースファンにはお馴染みの小山ガレージにチューニングを依頼するという奥の手を発揮し、またロータスといすゞの蜜月期間と重なったことから、エンジンは4XE1に決定。

 自然吸気ユニットが130馬力/7200rpm、ターボ付きで165馬力/6600rpmと、車重997kg(ターボ付きは1020kg)には十分なパワーだったといえるでしょう。

 ちなみに、小山ガレージのチューニングに加え、ツインカムヘッドについてはロータス自身が製作したという情報もあり、いずれにしてもよくまわる元気のいいユニットだったことは間違いありません。

 そして、ロータスといえば初代エランをはじめX字型バックボーンフレームがデフォルト。2代目でも同様のシャシーが選ばれたのですが、当然ながら初代からは大幅な進化が遂げられています。まず、初代やエスプリの四角断面から、八角形へと変更され、フロント セクションは「ロンジロン」と呼ばれる縦方向のメンバーで構成。駆動系とフロントサスペンションを支える強力なボックス形状のフロントセクションと結合されています。