【米国株ウォッチ】セールスフォース、業績好調も株価出遅れで割安水準か

AI要約

セールスフォース株(ティッカーシンボル:CRM)の株価は年初来6%下落しており、成長はボラティリティが高い。

直近の決算ではセールスフォースが市場予想を上回る業績を達成し、収益や利益が増加した。

バリュエーションでは2025年度の収益見通しを考慮し、目標株価を307ドルと推定している。

【米国株ウォッチ】セールスフォース、業績好調も株価出遅れで割安水準か

セールスフォース株(ティッカーシンボル:CRM)は年初来で6%下落している。同期間にS&P500種株価指数が16%上昇したのとは対照的だ。私たちはセールスフォースの目標株価を307ドルとしており、これは米国時間9月8日現在の株価である244ドルよりも約26%高い水準だ。

■株価パフォーマンス

セールスフォース株は過去3年間、上昇基調にある。しかし、その成長は一貫しているとは言い難く、そのリターンはS&P500のそれよりもかなりボラティリティが高い。セールスフォース株のリターンは、2021年に14%、2022年にマイナス48%、2023年に98%だった。

■直近の決算動向

セールスフォースは2025年度第2四半期決算で市場予想を上回る業績を達成した。総収益は93億3000万ドル(約1兆3360億円)で、前年同期比8%の増加となった。これは、「Sales」、「Service」、「Platform & Other」セグメントにおいて業績が改善したことによるものである。コストの面では、営業費用が大幅に減少し、営業利益率は19.1%(前年同期は17.2%)となった。その結果、純利益は12億7000万ドル(約1818億円)から14億3000万ドル(約2048億円)へと増加した。

2025年度上半期までの累計収益は前年同期比10%増の185億ドル(約2兆6500億円)となったが、これは主にサブスクリプションとサポートによる収入が11%増加したためである。さらに、収益に占める総経費の割合も減少し、営業利益率は前年同期の11.2%から18.9%へと改善した。その結果、純利益は前年同期比2倍以上の29億6000万ドル(約4240億円)となった。

■バリュエーション

同社が公表した業績見通しによれば、2025年度第3四半期における収益は93億1000万ドル(約1兆3332億円)から93億6000万ドル(約1兆3404億円)の間になり、EPS(1株あたりの純利益)は1.41ドルから1.43ドルの間になるとされている。それを踏まえ、私たちは2025年会計年度におけるセールスフォースの年間収益は377億9000万ドル(約5兆4120億円)程度になり、EPSは37.27ドルへと増加すると予想した。私たちは株価売上高倍率を用い、上述した予想収益に8.3倍の倍率を掛け合わせ、目標株価の307ドルを算出した。