〔東京外為〕ドル、142円台前半=米金利低下で水準切り下げ(11日午前9時)

AI要約

東京外国為替市場でのドルの対円相場は、前日に比べて大幅に下がり、米長期金利の低下が影響している。

前日の海外市場では、日銀の金利据え置き報道で上昇したが、米長期金利の低下で反落し、142円20銭前後で推移している。

米債市場ではピント社長の発言が景気先行きへの懸念を強め、米金利が低下したが、売り材料は限られ、夜の米CPI発表を控えている。

 11日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の海外市場で米長期金利が低下したことに圧迫され、1ドル=142円台前半に水準を切り下げている。午前9時現在、1ドル=142円23~25銭と前日(午後5時、143円61~62銭)比1円38銭の大幅ドル安・円高。

 前日の海外市場では、欧州時間の序盤は、日銀が今月の決定会合で金利を据え置くとの一部観測報道で143円70銭前後に上昇。その後は、米長期金利の低下を背景に反落した。米国時間の序盤は142円70銭台に下落。いったん買い戻されたが、中盤には一時142円20銭前後まで下値を切り下げた。終盤は142円40銭台に持ち直した。東京時間の早朝は142円30銭台で推移している。

 前日の米債市場では、米JPモルガン・チェースのピント社長兼最高執行責任者(COO)が同日の会合で、純金利収入を巡る市場予想は楽観的すぎると発言したことが景気先行きへの懸念を強め、米金利低下を招いた。

 東京時間は「米金利低下で上値は重い」(FX業者)ものの、「積極的な売り材料は見当たらない」(大手邦銀)ため、下げ余地は限られよう。また、日本時間の今夜には米消費者物価(CPI)の発表を控え、「積極的には動きにくいのではないか」(同)と指摘される。

 このほか、本日午前には米大統領選候補者のテレビ討論会が予定される。市場では「内容次第ではドル円も動意付く可能性がある」(同)との声が聞かれる。

 ユーロも対円は下落。対ドルは小安い。午前9時現在、1ユーロ=156円73~76銭(前日午後5時、158円50~52銭)、対ドルでは1.1020~1020ドル(同1.1036~1037ドル)。