北海ブレント70ドル割れ、2021年12月以来-供給過剰への懸念高まる

AI要約

原油の国際指標である北海ブレント先物が2021年12月以来初めて70ドルを下回り、供給過剰や需要低下への懸念が下落を加速させている。

米中両国の経済統計が弱く、中国の輸入データの弱さが需要への懸念を強め、供給過剰リスクを意識させている。

ウォール街の銀行大手が原油価格見通しを下方修正する動きがあり、原油市場は来年に供給過剰に陥る可能性が高いとの見方が広まっている。

北海ブレント70ドル割れ、2021年12月以来-供給過剰への懸念高まる

(ブルームバーグ): 10日の取引で、原油の国際指標である北海ブレント先物が2021年12月以来初めて1バレル=70ドルの節目を割り込んだ。堅調な供給と需要低下への懸念に加え、投機的な売りが下げを加速させている。

北海ブレントは一時3.8%下落。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物も一時4.2%下落し、日中としては2023年5月以来の安値をつけた。

10日発表された弱い中国の輸入データを含め、米中両国のさえない経済統計により需要への懸念が強まり、来年に供給過剰に陥るリスクが意識された。石油輸出国機構(OPEC)非加盟の産油国で生産量が急増していることも、こうした懸念に拍車をかけている。

みずほセキュリティーズUSAのエネルギー先物部門ディレクター、ロバート・ヨーガー氏は「中国の輸出入データは、世界第1位の輸入国で需要が崩壊していることを暗示している」と語った。

市場では弱気な見方が強まっており、ウォール街の銀行大手の間では今後数四半期の原油価格見通しを下方修正する動きが相次いでいる。

ジュリアス・ベアのアナリスト、ノーバート・ルッカー氏は「地合いは依然として弱気だ」と指摘。「需給面での逆風は続くだろう。需要は一部で停滞しており、米州では生産量が増加している。原油市場は来年、供給過剰に陥る可能性が高い」と述べた。

原題:Brent Oil Tumbles Below $70 Amid Oversupply Fears (Correct)(抜粋)

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