神宮外苑再開発、伐採する樹木を124本減 事業者側が見直し案を都に報告

AI要約

再開発が進む明治神宮外苑における樹木の伐採計画見直しの報告が行われた。伐採本数を124本減らし、新たに植える木も増やすなどして、樹木保全策を強化する方針。

計画では神宮球場と秩父宮ラグビー場の解体、高層ビル建設が進められる。今回の見直しではイチョウ並木も保全するため、施設の位置を変更するなどの工夫を取り入れている。

都の要請を受けて真剣に検討を重ねた事業者側と、都庁の調査・審議の結果待ちとなっている。今後、都民の理解と共感を得るために説明会などが行われる予定。

再開発が進む明治神宮外苑(新宿区など)について、樹木の伐採計画の見直しを求められていた事業者側が9日、樹木保全策など見直し案を都に報告した。建設予定施設の位置をずらすなどして伐採本数は当初計画より124本減らし、619本とする。今後、樹木保全策を都の環境影響評価審議会に提出し、伐採できず一部残された解体工事を完了させる。

再開発計画では、神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体して場所を入れ替え、商業施設などが入る高層ビル2棟を建設する。令和5年2月に都が事業を認可し、翌3月に神宮第二球場の解体工事に着手した。

見直し案では、3メートル以上の高木の伐採本数を削減するほか、新たに植える木を当初計画より261本増やすなどして、全体の本数を再開発前より400本増の2304本にする。また、外苑を象徴する景観の4列のイチョウ並木を保全するため、歩道の縁石から新施設の距離を約8メートルから約18・3メートルに広げる。

都内で記者会見を開いた三井不動産は、「都の要請を受けておよそ1年かけて真剣に検討を重ねてきた。神宮球場の老朽化などさまざまな課題を解決し、魅力ある外苑にする」と述べた。

小池百合子知事は都庁で記者団に対し、「これから中身を精査していく。事業者には、都民の理解と共感が得られるように説明していただきたい」とした。