キラキラ玩具菓子 担当はおじさん2人 「セボンスター」 愛され続け45年

AI要約

セボンスターは、キラキラのペンダントが入った玩具菓子で、今年45周年を迎えた。

商品開発から現在まで、女の子たちの心をつかみ続ける秘訣について述べられている。

清水さんが語るこだわりや苦労話、今後の展開についても触れられている。

キラキラ玩具菓子 担当はおじさん2人 「セボンスター」 愛され続け45年

 キラキラのペンダントが入った玩具菓子「セボンスター」が誕生から今年45周年を迎えた。ハートや星の形をした“宝石”たちは、いつの時代もおしゃれに興味を持ち始めた女の子たちの心をつかんできた。どのようにして、このロングセラー商品が生まれ、愛され続けているのか。カバヤ食品(岡山市)の担当者にたずねた。

 セボンスターが発売されたのは1979年2月。当時の玩具菓子は、プラモデルや野球グッズなど、男の子向けのものが多かった中で、「女の子たちに喜んでもらえる商品を」と開発された。ペンダントとチョコレート菓子のセットで、宝石のような六角形のパッケージの珍しさも相まって、お菓子売り場で目立つ存在となっていった。名前はフランス語の「セボン(良い)」と英語の「スター(星)」を組み合わせた造語。

 ペンダントの形状は20種類。色違いを含めると85種類にも上る。デザインはテーマや時代のトレンドを盛り込みながら、年2、3回ペースでリニューアル。過去には人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」やディズニープリンセスとのコラボシリーズが登場したこともある。

 現在、商品担当は30代と50代の男性2人。そのうちの一人で、玩具菓子チームを統括する清水隆秀さん(55)は「週末に買い物をする際は、女の子がどんなものに興味があるのか観察したり、雑貨店ではやっているものを調べたりしています。おじさん2人で頑張っています」と明かす。

 こだわりは「キラキラ感」。清水さんは「光らないペンダントは、女の子の心に刺さらない」とし、宝石部分のカットにこだわったり、カラーラメを取り入れたりと、さまざまな手法で「輝き」を生み出している。「キラキラ感」の新たな挑戦となったのは2023年シリーズの「パールビーズタイプ」。ペンダントの裏面を平らではなく球状にするクオリティーの高さで、消費者からの評判も上々だったという。

 玩具菓子は、箱に「〇番が入っています」と表示するタイプもあるが、セボンスターはそうではない。ガチャガチャのように何が当たるか分からないわくわく感を味わってほしいのと、たとえ自分好みのペンダントでなくても、いつもとは違うおしゃれを楽しんでほしいとの思いを込めているという。

 清水さんが最も苦労したと語るのは2019、20年に出した「世界」シリーズ。ペンダントで「世界一周」をコンセプトに、パリのエッフェル塔や日本の東京タワーをかたどったペンダントを考えたものの、「権利関係がクリアできないのでは」と議論になり、モチーフ選びに苦慮。中国はパンダ、ロシアはマトリョーシカ、アメリカはハンバーガーなど、権利が発生しないもので第5弾まで続けた。清水さんは「よくここまで展開できたなと思います」と笑う。

 近年では「小さい頃にセボンスターを買っていました」という企業担当者からのコラボ依頼が増えたという。これまでガチャガチャやバスボール(入浴剤)、漫画にもなったほか、今年は節目を記念して、宝石の情報発信企業と連携し、本物の宝石でセボンスターを再現した「大人のセボンスター」が登場した。子ども時代、セボンスターに胸をときめかせていた大人女子にも、再び手に取ってもらうきっかけになっているという。

 発売から45年たっても、年間約500万個売れているセボンスター。清水さんは「さまざまな娯楽が増えても、女の子のおしゃれへの憧れは普遍的なもの。子どもたちが最初に手にする『マイ・ファースト・アクセサリー』がセボンスターであってほしいし、大人になってもずっと関心を持ってもらえるように、これからも魅力的なアイテムを作っていきたい」と語る。