「あ、拡幅してる!」 細道だらけ“車で迷い込むとヤバイ”東京の住宅街に広い道 どこまでつながる? 今はまだ中途半端

AI要約

高円寺駅から北へ延びる早稲田通りで道路拡幅工事が行われている。

拡幅される道は補助227号線で、木密地域の火災リスク軽減が目的。

補助227号線は今後、さらに北へ延長される計画も進んでいる。

「あ、拡幅してる!」 細道だらけ“車で迷い込むとヤバイ”東京の住宅街に広い道 どこまでつながる? 今はまだ中途半端

 JR中央線の高円寺駅から北へ、ねじめ正一の小説でも有名な「純情商店街」などの商店街を抜けると早稲田通りに出ます。そこで道路の向こうを見ると、「お、拡幅してる」――。

 横断歩道の幅こそ5mほどですが、早稲田通りの向こうの「大和町中央道り」は、横に用地が確保され、北へ大きな空間が続いていることが分かります。

 早稲田通りから北は杉並区高円寺北から中野区大和町になりますが、高円寺も大和町も、極めて道が狭い迷路のような住宅街です。迷い込んだクルマが動けなくなるような姿も、日常的に目にしますが、そんなエリアを貫く幅16mの“そこそこ広い道”になる見込みです。

 ただ、拡幅用地は早稲田通りから700mほど、妙正寺川で終わります。それより北は、歩道もない幅5mの道路で、しかも双方向通行。「妙正寺川以南も、もともとこんなに狭かったのか」と思わずにはいられません。

 この拡幅される道は「補助227号線」といい、東京都の「特定整備路線」として整備が進められています。これは、木造住宅の密集地域、いわゆる「木密地域」の延焼防止や消火活動の円滑化を目的としたものです。

 こうした特定整備路線の対象地域は、関東大震災後の比較的早い時期に都市化が進んだ、山手線の西側の都心に近いエリアなどに点在しています。

 妙正寺川で中途半端に終わる感も否めない補助227号線ですが、2024年現在、妙正寺川からさらに北へ、新青梅街道まで拡幅区間を延長すべく、地元で検討が進んでいます。

 補助227号線の延伸は、西武新宿線(野方-井荻)の高架化とも対応しています。近くに位置する「都立家政」駅の高架化に合わせ、補助227号線から線路沿いにアクセス道路と、駅にクルマの乗降スぺースなどが設けられる計画です。

 都立家政駅は西武新宿線で最も駅前が狭隘な駅のひとつで、ホーム端まで住居が建て込んでいる状況。駅の出入口が面する西側の都立家政商店街もかなり細い道です。その正面口とは反対側にクルマのアクセス路が設けられます。

 さて、補助227号線は新青梅街道まで延伸すれば、その先、練馬区の目白通りまで1本道が形成されます。では、南側は早稲田通りまでかというと、そうではありません。