国産バイクでは数少ない「シャフトドライブ」のメリットって?

AI要約

バイクの後輪駆動方式にはチェーン、ベルト、シャフトの3種類があり、それぞれ構造や特性が異なる。

シャフトドライブは他の2つとは異なり、軸を介してエンジンの回転を後輪に伝える特殊な構造を持つ。

チェーン駆動は汎用性が高く安価だが、定期的なメンテナンスと部品交換が必要になる。

国産バイクでは数少ない「シャフトドライブ」のメリットって?

 バイクは後輪の駆動方式に「チェーン」、「ベルト」、「シャフト」の3種類がありますが、多くの人が馴染み深くてパッとイメージするのはチェーン駆動ではないでしょうか。また「ベルト駆動」は、有名なところではハーレーダビッドソンが採用しています。

 チェーン駆動とベルト駆動では構造や材質が異なるので、それぞれにメリット・デメリットがありますが、後輪を駆動する仕組みとしてはなんとなく似ているし、見た目(自転車と同じ?)で構造もおおむね理解できるのではないでしょうか。

 ところが「シャフト駆動」は、構造がまったく異なります。そもそもチェーン駆動やベルト駆動のように、見た目だけではどうやって後輪を回しているのかよく分かりません。

 シャフトドライブ(シャフト駆動)は文字通り「Shaft=軸」によって、エンジンの回転を後輪に伝えています。シャフトは後輪の中心軸と回転方向が90度異なるため、特殊な「かさ歯車」を用いた「ファイナルドライブギア」が必要になります。チェーン駆動のスプロケットやベルト駆動のプーリーと比べると、けっこう複雑な構造になります。

 バイクのシャフトドライブは意外と歴史が古く、1990年代初頭には存在しました。これは当時、「縦置きエンジン(クランク軸が車体に対して縦方向)」のバイクが多かったためで、かつてクルマでは主流だったFR方式(フロントエンジン、リアドライブ)で一般的だったことと同じ理由で、シャフトドライブは縦置きエンジンと構造的に相性が良かったからだと言えます。

 後輪の駆動方式は、それぞれにメリット・デメリットがあります。まず、もっともメジャーな「チェーン駆動」のメリットは、様々なバイクに対応する汎用性の高さと、それに伴う安価な製造コストが大きいでしょう。また最終減速比(二次減速比)が簡単に変更できるため、レース等にも対応しやすいです。対するデメリットは、定期的(比較的頻繁)にメンテナンスが必要になり、交換が必要(チェーンやスプロケットは消耗部品)なところです。