東海道新幹線ストップ→北陸新幹線で“かなり快適に脱出”できました 「非常時こそ金をかけろ」という教訓

AI要約

2024年8月27日、筆者は東海道新幹線の遅延により、大阪から東京への移動ルートを変更した。

大阪から敦賀、そして東京へと移動する際に、チケットレス特急券を利用し、災害時の予約や購入方法を紹介した。

筆者は上級設備を確保するために高額なチケットを利用し、車内で必要な飲食物を確保する工夫をした。

東海道新幹線ストップ→北陸新幹線で“かなり快適に脱出”できました 「非常時こそ金をかけろ」という教訓

 2024年8月27日(火)、筆者(安藤昌季:乗りものライター)は徳島から大阪に向かう高速バスの中にいました。さらに大阪から東京へ向かいたかったのですが、台風10号接近に伴う豪雨の影響で、東海道新幹線は大幅遅延、一部は不通という状況でした。

 

 筆者は東海道新幹線の利用をあきらめ、大阪から特急「サンダーバード」で敦賀に移動し、そこから北陸新幹線で東京を目指すルートに変更しました。

 JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」を使えば、バスの中からでもスマートフォンで当日予約できます。災害時の「みどりの窓口」は大行列ですから、買うのはチケットレス特急券一択です。

 しかし大阪から敦賀乗り換えで東京までのきっぷを一度に買おうとすると、チケットレスでは発券できないので、割高ですが大阪~敦賀間と、敦賀~東京間を分けて買います。大阪~敦賀間は特急で2190円。乗車券を同時に買えないのが不便ですが、同区間運賃の2310円は交通系ICカードから引き落とせば、自動改札を通れます。

 敦賀~東京間は、チケットレスの「eチケット早得1」であれば、乗車券付きで1万4530円と、自由席の1万5830円よりも安いです。ただし、速達型の「かがやき」は使えないので、「はくたか」限定となります。

 この「eチケット早得1」なら、大阪~敦賀間と合わせて合計1万9030円。これは東海道新幹線グリーン車の正規料金とほぼ同じです。JR東海のインターネット予約サービス「スマートEX」であれば、「スマートEX自由席」で1万3870円、グリーン車の「EXグリーン早得3ワイド」でも1万5940円ですから、割高ですが災害時なので仕方ありません。

「eチケット早得1」でもよいのですが、早く帰京したい筆者は「かがやき」に乗れる選択肢にしました。大阪11時12分発の「サンダーバード19号」で敦賀12時33分着。敦賀12時42分発の北陸新幹線「つるぎ20号」で金沢13時39分着。金沢13時50分発の北陸新幹線「かがやき532号」で東京16時20分着。所要は計5時間8分です。

「つるぎ20号」は自由席、「かがやき532号」はグランクラスとしました。チケットレスで3万800円(サンダーバードを含めると3万5300円)と相当高くなりますが、これは「災害時は上級設備を確保する」という筆者の考えに基づくものです。

 かつて筆者は悪天候時に東海道新幹線に乗車したところ、途中で運行中止となり、車内に閉じ込められた経験があります。乗車した普通車自由席は立客もいる状態で、空気も悪くなっていました。子連れで閉じ込められるのは厳しいと考え、車掌を探し車内でグリーン券を購入したことで、動かない数時間、体力を温存できたわけです。

 現行の「サンダーバード」と北陸新幹線には車内販売がなく、5時間の道中でもし車内に閉じ込められた場合、食料や飲料の確保ができません。「かがやき」の「グランクラス」は有人サービスがあり、軽食や飲料が提供されますから、乗り換え駅で何か買えなかったとしても、最低限の飲食ができると考えたのです。

 大阪11時12分発の特急「サンダーバード19号」は全車指定席です。乗車率は30%ほどでした。大阪で購入した駅弁を食べつつ、東京に向かうために「サンダーバード」に乗るのは不思議な気分です。

 車内で、北陸新幹線の運行状況を確認します。列車が遅れ始めたなら、「e5489」で後続列車に予約変更するためです。災害時は指定券の取り消し・変更に料金がかからないため、柔軟に動けるわけです。