スマホの対極に位置するシンプル携帯、折りたたみ“パカパカケータイ”の最新モデルが日本に登場した背景

AI要約

アメリカを中心に注目を集めているシンプルな携帯電話「ダムフォン」が日本でも人気を集めている。

ダムフォンは、スマートフォンとは対照的なシンプルな携帯電話で、頻繁な通知やインターネットにつながるストレスから離れたい人々の間で支持されている。

欧米のダムフォンブームに乗り、日本でも同様の製品が登場し、古き良きケータイ文化を求めるユーザーに受け入れられている。

スマホの対極に位置するシンプル携帯、折りたたみ“パカパカケータイ”の最新モデルが日本に登場した背景

 アメリカを中心に「ダムフォン」と呼ばれるシンプルな携帯電話が注目を集めている。そのトレンドが日本にも静かに上陸しつつある。

■スマホの対極に位置するシンプルな携帯電話

 ダムフォンは、通話中心のシンプルな携帯電話。常時インターネットにつながり、頻繁に来る通知のストレスから解放されたい若者や、スマートフォンの対極に位置するシンプルなケータイを求める人々の間で、ダムフォンが注目されている。

【写真】日本にも”上陸”。ダムフォンの特徴を備えた「Orbic JOURNEY Pro 4G」。小さなディスプレイや折りたたんだ状態に懐かしさを感じる人も? 

 米WIREDは、「r/Dumbphones」というサブレディット(ネット掲示板)が急成長していることを記事で取り上げた。r/Dumbphonesのモデレーターであるホセ・ブリオネス氏に取材し「2020年にはメンバー数が1万人未満だったこのサブレディットが、4年後に5万人以上に成長した」という証言を得ている。レディットはアメリカ発の大規模な掲示板サイトで、サブレディットはその中の特定テーマに特化したコミュニティを指す。この急成長は、ダムフォンに対して一定の注目が集まっていることを示唆している。

 「ダムフォン(dumb phone)」という言葉は、「おばかケータイ」や「間抜けケータイ」といった、少し否定的なニュアンスが含まれている。「賢い(smart)」スマートフォンに対して、機能が限定的なシンプルなケータイ電話を、卑下するような呼び名だ。

 しかし、この言葉が持つ自虐的なニュアンスを逆手に取って、ユーザー自身が肯定的に使っているケースが多い。スマートフォンの過剰な機能に疲れ、シンプルさを求めるユーザーにとって「ダムフォン」という言葉が、ある種のアイデンティティになっているのかもしれない。

■日本に上陸した「ダムフォン」

 ダムフォンブームの流れに乗った製品が日本でも登場した。アメリカの通信事業者向けに低価格な端末を提供しているオルビックが、ダムフォンの特徴を備えた「Orbic JOURNEY Pro 4G」を発売したのだ。

 日本オルビックのダニー・アダモポウロス社長はこの製品の魅力をこのように語る。

 「日々スマートフォンから入ってくる膨大な情報に食傷気味な方、SNSでの見ず知らずの相手からのちょっとした言葉に傷ついた方、それでも画面から目を離せなくなっている方というのは、私を含めてですが、相手の表情(かお)が見えないコミュニケーションにお疲れではないでしょうか。JOURNEY Pro 4Gはそんなユーザーに安心して手に取っていただける端末です」