実はヤバい「俺はサーバントリーダー」という上司 イマドキの「奉仕型マネジメント」は決断力のないリーダーの逃げ道か
マンガ編集者の経験を持ち、作家業の傍らマンガ原作も手掛ける堀田純司氏が、歴史を振り返って「こんな上司は嫌だ」というテーマで上司像について考察する。
新しいリーダー像である「サーバントリーダー」という概念についても深掘りし、その理想が現実でどう変容するかを問いかける記事。
サーバントリーダーには危険性もあることを指摘しながら、具体例を挙げて細かく分析していく。
マンガ編集者の経験を持ち、作家業の傍らマンガ原作も手掛ける堀田純司氏が、ちょっと困った「今ドキ上司」や「あるある経営者」を歴史をさかのぼってケーススタディとして紹介する「こんな上司は嫌だ」。
令和ならではの職場の上下関係の悩みと思いきや、歴史を振り返ると同様の悩みがたくさん見つかることに驚かされます。むしろ、昔はもっとひどかったのかもしれません。
思わず「現代に生きててよかった」と思えるようなエピソードや、処世術に役立ちそうなヒントを、堀田氏の視点で綴っていただきます。
テーマは「サーバントリーダー」。一見、部下に優しくてすてきな上司のようですが……。
「サーバントリーダーシップ」という新しいリーダー像が提案されるようになり、早くもそれに影響される人が出ているとのこと。
サーバントとは英語のservant。ご存じのとおり「奉仕者」といった意味です。
従来型のトラディショナルなリーダーは「俺についてこい!」という、トップダウン型のスタイルでした。しかしサーバントリーダーは、むしろまず奉仕者として部下をサポートし、その自己実現や成長を後押ししていくリーダー像。
響きは文句なくいい。一見、理想の上司像に見えます。理念は確かに素晴らしいのですが、しかし崇高な理想が、形而下的な現実の中で変容してしまう現象は、人間社会によく見られる事態です。
「サーバントリーダーシップ」も日本社会の現実の中で、ぶっちゃけ、単に決断力がない人にとって都合のいい「逃げ道」になっていないでしょうか?
実際問題として「俺はサーバントリーダーだからさ」と自分から言ってしまう上司は、どうもやばい気がします。
たとえば、プロジェクトの目標を具体的に掲げることはせず、フワッとした抽象論だけ。
その上で「俺の仕事は君たちの自己実現を後押しすること。そのためには全力で戦うからさ。だから君たちも忖度することなく、どんどん企画を提案してほしい」などと、いい感じのことを言ってくれたりする。