大口ヒモ付きアルミ地金10~12月期価格、横ばいの460円

AI要約

店売りアルミ圧延品価格の指標である大口ヒモ付きアルミ地金の10~12月積み価格が7~9月期比横ばいのキロ460円に決まった。

基準価格はLME価格に連動する毎月の国内地金価格の平均値を活用したもので、国内相場は国際相場の下落と急激な円高進行により影響を受けていた。

今回の基準価格決定により、アルミ圧延品市況は年末まで現行値で推移することになる。

 店売りアルミ圧延品価格の指標である大口ヒモ付きアルミ地金の10~12月積み価格(基準価格)が7~9月期比横ばいのキロ460円に決まった。アルミ地金価格が高水準だった6月を境に右肩下がりとなったが、3カ月平均値では直前四半期並みとなった。

 板や押出材といったアルミ圧延品の国内市況は、圧延メーカーが製品販価の指標とする大口ヒモ付きアルミ地金価格(基準価格)の上下が市況変動に影響する。基準価格はLME価格に連動する毎月の国内地金価格の平均値を活用したもの。10~12月積みは6~8月の3カ月間の平均数値に船賃の10円を加算した数値となる。なお7~9月積み価格は同460円。

 基準価格のベースとなるLME価格(3カ月先物)は5月にトン2700ドル台をつけたものの、中国景気への懸念拡大や円高進行などを背景に6月から徐々に下落。7月下旬には約2200ドルで5カ月ぶりの安値を付けた。8月上旬も引き続き弱基調で推移していたが、下旬にかけて強含みに転換し、2400ドル半ばで月末を迎えた。

 国内相場は国際相場の下落に加え、急激な円高進行を受けて国際相場以上の下げを見せた。6月にキロ470円後半だった国内平均価格は7月に450円半ばまで下落。8月は足元で420円前半となった。

 こうした価格変動の中、7月時点では10~12月積み価格は10円上げ予想も多かったが、その後の市況下落を受けて横ばい見通しが台頭。一時は10円安まで見える場面があったものの、8月後半の市況反転を受けて横ばいでの決着となった。

 今回の基準価格決定により、アルミ圧延品市況は年末まで現行値で推移することになる。扱い筋からは「需要が振るわない中で、市況が安定することは悪くない」(流通筋)と前向きにとらえる声が多かった。