「エンジン」でも航続距離は長くない BMW M2 長期テスト(3) F32型より広い全幅

AI要約

G87型BMW M2は、コンパクトなスポーツクーペであるが、航続距離が短いことが課題である。

バッテリーEVと同様に、充電や給油の手間が増え、長距離移動時には気を使う必要がある。

M2の走行性能を最大限に楽しむためには、燃費や航続距離よりも運転を重視する姿勢が大切である。

「エンジン」でも航続距離は長くない BMW M2 長期テスト(3) F32型より広い全幅

G87型BMW M2のボディサイズへ、すっかり慣れた筆者。最近は、特に大きいとは感じていない。

しかし先日、とある駐車場で初代4シリーズ、F32型とニアミス。もはや、小さなクルマとは呼べないことを実感した。全長はほぼ同じ。フロントグリルが強調されているぶん、前からの姿はM2の方が断然大きく見えたほど。実際、全幅はより広いのだ。

M2のオーナーなら、週末は交通量の少ないエリアへ足を伸ばすことが一般的かもしれない。しかし先週末の筆者は、自宅を整理し、不要な物品をチャリティーショップへ持ち込むことで追われた。

ありがたいことに、M2の荷室は2ドアクーペの割に広い。開口部の底辺が狭いものの、実用性には感心させられる。軽くなった帰路では、寄り道して運転も楽しめる。

バッテリーEVの長期テストで、テーマとなるネタの定番といえば、長くない航続距離と充電の手間だろう。現在のモデルが抱える弱みだけでなく、グレートブリテン島の充電ネットワークの不確実性が、大きく影響している。

内燃エンジンのモデルと比較して、1度のエネルギー補給で走れる距離が短いことは、最新のバッテリーEVでも課題。どうしても、充電器につなぐ回数は増えてしまう。

ところがBMW M2も、航続距離が長いわけではない。3.0L直列6気筒ターボガソリンの燃費は、カタログ値で10.2km/L。普段使いしている最近の平均値は、8.3km/Lでしかない。ガソリンタンクの容量も、52Lと小さめだ。

結果として、1度の給油で走れる距離は良くても450km程度。気持ちを鎮めて運転し続ければ、もう少し燃費は伸ばせるはず。しかし、M2のステアリングホイールを握っているのだから、それは簡単ではない。楽しまないなんて、もったいない。

比較的コンパクトなスポーツクーペだから、400km以上も走れれば充分とはいえる。それでも、この仕事をしていると長距離移動が必要な予定は多い。それが、何週間も続くことも珍しくない。ガソリンスタンドへ立ち寄り、給油へ費やす時間は増えがちだ。