スタートアップW杯九州予選、熊本大学発の創薬会社「StapleBio」が1位 核酸医薬で独自技術

AI要約

熊本市で開催されたスタートアップワールドカップ九州予選で、創薬スタートアップ「StapleBio」が1位に輝いた。

同社は米国で開催される決勝大会に進出し、100万ドルの出資を受けるチャンスがある。

StapleBioは独自の核酸技術を活用して、未治療の病気に対する治療薬の開発に取り組んでいる。

StapleBioは熊本大学発のスタートアップであり、治療薬開発において注目される核酸医薬の分野で先駆的な研究を行っている。

同社の取締役CSOである勝田陽介氏は、決勝大会への出場を通じて世界の患者に向けて自社の取り組みを広く知ってもらいたいと語っている。

勝田氏率いるStapleBioは東京、京都の予選を勝ち抜き、日本代表として決勝大会に挑む。世界の舞台での成功を目指している。

スタートアップW杯九州予選、熊本大学発の創薬会社「StapleBio」が1位 核酸医薬で独自技術

スタートアップ(新興企業)が自社の強みや有望性などをプレゼンテーションして競い合う世界的なピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選が8月27日、熊本市で開かれた。書類審査を通過した11社のうち、熊本大学発の創薬スタートアップ、「StapleBio(ステープルバイオ)」(本社・熊本市)が1位となった。同社は10月にアメリカ・サンフランシスコで開かれる決勝大会に進出する。優勝すれば100万ドル(約1億4千万円)の出資を受けることができる。

スタートアップワールドカップはアメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くベンチャーキャピタル(投資会社)の「ペガサス・テック・ベンチャーズ」(アニス・ウッザマン創設者兼CEO)が主催。コンテストを通じて有望なスタートアップを「発掘」し、提携を望む大企業につなぐことを狙っている。

6回目の開催となった今回は世界70以上の地域で予選が開催。日本では九州のほか、東京と京都でも予選が開かれているが、九州開催は初めて。

StapleBioは、「Staple核酸」と名付けた独自の新技術を使い、治療方法が確立されていない病気の治療薬を開発している。病気の原因となるたんぱく質を作り出すメッセンジャーリボ核酸(mRNA)に働きかける手法で、新型コロナウイルスのワクチンでも注目された「核酸医薬」の分野だ。この研究をリードしてきた熊本大准教授の勝田陽介氏が元製薬会社員と2021年11月に起業し、取締役CSO(最高戦略責任者)として経営も担っている。

1位の発表後、勝田氏は「希少疾患は日本だけではなく、世界にいっぱい患者さんがいるので、世界の皆さんに現状と、それに対して薬を作ろうとしている会社があることを知っていただければいいなと思います」と決勝大会への意気込みを語った。

StapleBioは東京、京都両予選で勝ち抜いた2社(ヘラルボニー、デジタルエンターテイメントアセット)とともに、日本代表として決勝大会(10月2~4日)に出場する。

勝田氏のプレゼンの主な内容は以下の通り。