「もっと世界で輝ける」ガンダム育ての親とTikTokが描く、日本アニメの超発展シナリオ

AI要約

日本のアニメは、世界中で人気を博し、産業としても急成長している。しかし、アニメ業界には人材不足や育成システムの課題があり、持続的発展が難しい状況にある。

TikTokがアニメ文化の発展を支援する取り組みを開始し、NAFCAへの寄付やアニメーター育成プロジェクトなどを行っている。

植田氏はTikTokに声をかけた理由を説明し、若い世代にアニメの魅力を伝えるためのプラットフォームとしての可能性を強調している。

「もっと世界で輝ける」ガンダム育ての親とTikTokが描く、日本アニメの超発展シナリオ

 日本のアニメは、今や日本を代表する産業へと成長し、海外のファンも多い。その人気ぶりはとどまるところを知らず、国を挙げた産業振興の取り組みも始まっている。一方、長くガンダムシリーズの作品などを手がけてきたアニメプロデューサー 植田益朗氏は「このままでは持続的発展は難しい」と現状を語る。2024年5月にアニメ業界との連携を発表したTikTokの日本を含むAPAC地域のコンテンツオペレーションを統括する、TikTok APAC ゼネラルマネージャー 代表 佐藤陽一氏とともに、日本アニメの現在と未来を語り合った。

──TikTokは、5月のニュースリリースでアニメ産業の持続的発展を支援する取り組みを発表しました。まずは、その背景について聞かせてください。

TikTok 佐藤陽一氏(以下、佐藤氏):世界中で日本アニメの人気が高いことは、周知の事実です。直近でも、『鬼滅の刃』のワールドツアーは世界95カ国(2023年、2024年はさらに拡大)で開催され、『推しの子』の主題歌「アイドル」が米ビルボード・グローバル・チャートで1位を獲得したり、映画『THE FIRST SLAM DUNK』が特に中韓で日本以上のメガヒットにつながったりと、世界中で人気を博しています。

 一方で、業界を支えるアニメーターの人材不足や育成システムの脆弱性などの課題が多く存在しており、日本を代表する文化となったアニメ産業の持続的発展が危機にさらされている現状があります。

 そこで、こうした課題解決の一助となるように、アニメ文化の発展を支援する取り組みとして、一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)への寄付、アニメーター育成のための「アニメータースキル検定」の支援、アニメ制作スタジオの魅力を伝える動画の発信などの取り組みを微力ながら行うことを発表しました。

──植田さんはNAFCAの代表理事であり、もともとTikTokに声をかけられたのも植田さんだと聞いていますが、なぜTikTokだったのでしょうか。

アニメプロデューサー 植田益朗氏(以下、植田氏):TikTokさんがさまざまな業界やカルチャーを支援されていることを知り、「アニメータースキル検定」でご協力いただけないかと考えて、声をかけさせていただきました。また、TikTokは若い人たちを中心に幅広い世代に利用されているプラットフォームですので、アニメーションの魅力を伝えて、日本アニメのすそ野を広げていくのにも最適だと考えました。