次のうちキャッチコピーと呼べるのはどれ?[豆腐は美味しい/本当に豆腐は美味しい/本当の豆腐は美味しい]

AI要約

広告クリエイターの小西利行さんが考えるための方法として、100の思考ツールを紹介している。

キャッチコピーにおける違和感と奥行きの重要性について具体的な例を挙げながら説明している。

相手の立場に立つことや違和感を生むことでコピーの効果を高めるテクニックが重要であると述べられている。

次のうちキャッチコピーと呼べるのはどれ?[豆腐は美味しい/本当に豆腐は美味しい/本当の豆腐は美味しい]

「考えるための方法」が整理されると一気に思考が活性化する――。

伊右衛門、プレモル、PlayStationといった国民的商品の広告を多く手がけてきたクリエイター・小西利行さんがあらゆる「仕事の壁」を突破するために使っているのが「考えるための方法=思考ツール」です。

小西さんの35年間の仕事の中で編み出した100の思考ツールが紹介されている『すごい思考ツール 壁を突破するための〈100の方程式〉』から一部を抜粋し、3回にわたってお届けします。

■流行は「違和感と奥行き」でできている

 「えっナニ!? →へえ面白い!」の「間」をつくろう

 問題。下記のうち、キャッチコピーと呼べるものはどれ? 

1:豆腐

2:美味しい豆腐

3:豆腐は美味しい

4:本当に豆腐は美味しい

5:本当の豆腐は美味しい

 答えは5。これだけがキャッチコピーとして機能する。最もダメなものは4。なぜなら思いを押しつけるエゴだからだ。

 コミュニケーションで一番重要なのは、こちらの思いが相手に伝わること。そのための基本は「相手の立場に立つ」ことだ。その観点でいえば、4は相手(聞き手)の関与する余白がなく、本当に美味しいんです!  という伝え手の思いだけが強いので、正直ウザったい。

 それに対し、5は「本当の」というところに意味がある。そもそも豆腐に「本当かどうか?」という概念がないために、「本当の豆腐」と言われた瞬間にその背後にある「実はまがい物があるのかな?」「何か本物であることを伝えられる内容があるんだな」までを察知する。

 つまり、最初に「なんか変だぞ?」という違和感を生み、その次に「なんか面白そうだ」と期待する気持ちにつなげる。この一瞬の思考時間こそが、心を摑むために絶対に必要な「間」であり、コピーの極意だ。このテクニックは、プレゼンや企画書においても汎用性が高いし、ブランドを生み出すのにも必須だと思う。