保有キャッシュは過去最高額に!アップル株を半分手放したバフェット氏の意図は?

AI要約

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが、アップル株の保有を半分に減少させる大規模な売却を行ったことが明らかになった。

他の投資家もハイテク株の売却や新規取得を行い、市場の動向に対応している。

バークシャーはアルタ・ビューティーとハイコの株式を新規に取得し、ポートフォリオを更新している。

保有キャッシュは過去最高額に!アップル株を半分手放したバフェット氏の意図は?

“投資の神様”と称されることも多いウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、4-6月(第2四半期)に大規模な株式売却を行ったことが、8月3日明らかになりました。

目を引いたのはアップル株の保有を約7億8940株(3月末)から4億株(6月末)へと3カ月間で約半分まで減少させた事です。バークシャー は3四半期連続でアップル株の売却を行っていて、前々回は1%減、前回は13%減、そして今回の半減発表となりました。バークシャー担当アナリストのジム・シャナハン氏は「これは新たな売りシグナルと結論づけられるかもしれない」と指摘し「われわれの予想をはるかに上回る、高い水準の売却の動きとなった」と述べました。

売却の理由として、米国では財政赤字が増えるにつれて税率が上がる可能性があり、売却益にかかる税率が上がるとの見方を背景に保有数を減らした、との発表があります。しかし「半減」となると発表理由とは裏腹に意図的な売却と見る向きが強まるのは否めないかもしれません。このような動きがあったものの、依然としてアップル株は上半期終了時点で、バークシャー最大の保有銘柄となっています。

一方、資産家のスタンレー・ドラッケンミラー氏と著名投資家のジョージ・ソロス氏の投資会社も、マグニフィセント・セブン銘柄(アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコム、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)の保有を減らしていて、好調だったハイテク株が7月中旬に下落する前に、売却したと見られています。

またバークシャーは石油大手シェブロンの保有も1億2286万株(約4%)減らし、クレジットカード発行大手のキャピタル・ワンの保有数を約265万株減らし(約21%)、ビッグデータ管理のスノーフレークについてはすべての保有株を売却しました。

一方でバークシャーは米化粧品小売りのアルタ・ビューティーを69万106株、約2億2700万ドル(約330億円)、航空部品の保守・製造を手掛けるハイコを104万4200株、約2億4700万ドル(約359億円)を新規に取得したことを明らかにしました。アルタ・ビューティーは全米国50州に約1400店舗を展開し、ネット通販事業も行っています。14日の米株式市場では通常取引後の時間外取引でアルタの株価が一時12%高の369.25ドルを付け、ハイコは2.8%上昇しました。また5月に初めて保有を開示した損害保険大手チャブを4-6月期に110万9000株(約4%)増加しました。

8月14日時点でのバークシャーのポートフォリオは以下のとおりです。

○アップル(AAPL) : 30.1%

○バンク・オブ・アメリカ(BAC) : 14.7%

○アメリカン・エキスプレス(AXP) : 12.5%

○コカコーラ(KO): 9.1%

○シェブロン(CVX): 6.6%

○オキシデンタル・ペトロリアム (OXY): 5.7%

○クラフト・ハインツ(KHC): 3.7%

○ムーディーズ(MCO): 3.7%

○チャブ(CB): 2.5%

○ダビータ(DVA): 1.8%

保有銘柄は約40ですが、上位5銘柄で73%、10銘柄で90%以上を占めています。