徘徊ドローンとの連携も!「空中投下OKな重武装Gクラス」特殊部隊が愛用 もっともな理由とは

AI要約

ベンツGクラスは高級SUVとして知られるが、もともと軍用車両として開発された。その歴史を持ち、高い悪路走破性と信頼性を誇る。

新しく開発された空挺車両「カラカル」はベンツGクラスをベースにしており、ラインメタル社と提携して開発された。特殊部隊向けの空輸可能軍用車両で、2t以上の貨物を積載できる。

ドイツ軍とオランダ軍向けの契約やウクライナ向けの緊急提供依頼を受けており、2025年から引き渡しが始まる予定である。

徘徊ドローンとの連携も!「空中投下OKな重武装Gクラス」特殊部隊が愛用 もっともな理由とは

 ベンツGクラスといえば、SUVの中でも高級モデルとして有名です。ベンツという高級車としてのブランド力はもちろんのこと、その知名度に負けないほどのラグジュアリー感と4輪駆動車としての優れた能力、高い衝突安全性がそのイメージを形作っているといえるでしょう。

 ただ、Gクラスはもともと軍用車両として開発された経緯があります。だからこそ、優れた悪路走破性と信頼性を兼ね備えているといえますが、それらは世界中の軍隊や特殊部隊、警察などといった組織からも評価されており、このクルマをベースにした特殊車両がいくつも開発されています。そのなかで最も新しいモデルと言えるのが、ドイツの防衛企業ラインメタル社が新しく開発した空挺車両「カラカル」です。

 同車が初めて展示されたのは、2022年に開催された防衛見本市「ユーロサトリ2022」でのこと。それから2年経った今回の「ユーロサトリ2024」では、展示とともに走行する様子も披露され、注目を集めました。

「カラカル」はラインメタル社とメルセデス・ベンツ社およびACS(アーマード・カー・システムズ)社が提携して開発した全輪駆動(4WD)の軍用車両です。ボディ部分はACS社による独自の設計ですが、シャシー部分はメルセデス・ベンツ社のGクラスの派生モデル W464が採用されています。

 車体重量は2.9tで、路面上での最大速度は130km/h。貨物については2t以上の積載量を誇ります。

 パラシュート部隊や特殊部隊で使用する空挺車両として開発されたため、軍用ヘリコプターや輸送機での空輸を前提にしているのも大きな特徴です。CH-47F「チヌーク」やCH-53K「キングスタリオン」といった大型ヘリコプターでは機外に吊り下げ輸送することができ、C-130「ハーキュリーズ」やA400M「アトラス」といった軍用輸送機では空輸だけでなく、上空からの落下傘投下にも対応しています。

 ドイツ軍とオランダ軍向けの軍用車両として、2023年7月に正式な生産契約が結ばれており、生産開始と両軍への引き渡しは2025年から始まる予定です。また、ロシアによる侵攻を受けているウクライナからも、同軍の特殊部隊向けとして緊急の提供依頼を受けており、Gクラスの461モデルをベースにした急造「カラカル」が、すでに20台ほど引き渡されているそうです。