ルールを守るためなのに行き着く先がグレーゾーン! 休憩が定められたタクシードライバーは休む場所で一苦労していた

AI要約

タクシーの乗務員は、法律で定められた休憩時間を取らなければならないが、その具体的なタイミングや場所は乗務員によって異なる。

休憩場所はコインパーキングやファミレス・コンビニなどであり、交通違反にならないよう注意が必要。

休憩時間の配分も乗務員の自己管理に任されており、効果的な休憩法を見つけることが重要。

ルールを守るためなのに行き着く先がグレーゾーン! 休憩が定められたタクシードライバーは休む場所で一苦労していた

 タクシーの乗務員は、いつ、どこで休憩しているのでしょうか。今回は、タクシー乗務員の休憩場所や休憩時間について、タクシードライバー経験がある筆者が解説します。

 まず、タクシーの乗務員は、乗務中に休憩を取らなければならないと決められています。

 乗務時間が長い隔日勤務の場合、1乗務あたり3時間、一般的な労働時間と同じ日勤や夜勤の場合は1乗務あたり1時間です。このように、法律で休憩時間が決められているため、必ず休憩しています。

 ただ、この休憩をいつ、どのタイミングで取るかは乗務員それぞれの判断です。そのため、早めに休憩を取る人もいれば、ギリギリまで粘ってから休憩を取る人もいます。

 もし、休憩を取らなかった場合や休憩時間が短い場合は、乗務終了時に運行管理者から「休憩しろ!」と怒られます。そのため、無理をしてでも休憩を取らなければならないのです。

 では、タクシーの乗務員が休憩する場所は、どこなのでしょうか。

 休憩場所はどこでもよいものの、交通違反になる場所やほかの交通・近隣の方々の迷惑となる場所を避けなければなりません。そのため、コインパーキングやファミレス・コンビニ(食事休憩やトイレ休憩を兼ねる場合)などの駐車場となります。

 地域によってはタクシー専用の休憩所がある場所もあるようですが、タクシーの乗務員が休憩するタイミングは意外と被る場合が多く、人気の休憩スポットはあっという間に埋まってしまいます。そのため、グレーゾーンに近い場所で休憩せざるを得ない乗務員がいるのが現実です。

 隔日勤務をしていた筆者は、休憩場所探しと休憩時間配分に悩まされました。

 場所については、先輩乗務員やほかのタクシー会社の乗務員が人気休憩スポットを早々に埋めていたので都合がいい場所で休憩できず、そのほかの場所を探しまわり、細々と休憩していました。

「適当な場所で休んでしまえばよいのでは?」と思われる方もいるかも知れませんが、交通違反にならず、ほかの交通や近隣の方々の迷惑にならない場所を探すのは意外にも難しいものです。筆者の場合、幸いにも営業区域内に自宅があったので、やむを得ず自宅の駐車場で休憩したこともあります。

 また、休憩場所を見つけられても、どの程度休憩するのが自分の働くスタイルに合うのかわからないという悩みもありました。

 休憩時間の配分は乗務員に任せられているため、一般的な会社員と同じようにどこかのタイミングで1時間の休憩をして残りの2時間を分散させる人もいれば、30分ほどの休憩を何度か取るというスタイルの人もいます。

 筆者もさまざまな休憩時間配分を試してみましたが、お昼ごろ(といっても午後ですが)に1時間、夜の時間帯になる前に1時間、残り1時間を細かく(10~15分)分けるというスタイルに落ち着きました。

 休憩時間の配分については、それぞれの乗務員で異なるため、タクシーの乗務員になる方は、先輩乗務員の意見も取り入れつつ、自分に合う休憩時間配分を見つけることが大切です。

 街なかのタクシーを見ていると、駐車場に堂々とタクシーを停めて仮眠しているのを見かけることがあるかと思います。このような休憩中の乗務員を見かけたら、そっとしておいてあげてください。

 乗務員も人間です。休憩せずに運転し続けることはできません。休んでるところを起こしてまで運転させると事故の危険性を高めてしまう可能性もあります。そのため、休憩中のタクシーを見かけたときは、そのままにしておいてあげてください。