和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

AI要約

1970年台後半からアメリカンスタイルのバイクが各メーカーから登場し、ホンダもNV750/400カスタムやSTEED 400をリリース。

STEEDはアメリカンスタイルを象徴するデザインとVツインエンジンを搭載、力強い鼓動感を追求。

車体デザインや質感にこだわり、個性的でボリューム感のあるリアビューを実現。

和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

 1970年台後半に「アメリカン」と呼ばれた新しいスタイルのバイクが各メーカーから相次いでリリースされました。50ccの原付アメリカンから1000ccクラスの本格的なモデルまで、様々な車種が出揃いました。

 概ね、どのモデルも既存のスポーツバイクの車体やエンジンをベースに、ワイドなハンドルバーや段付きシートなどでアメリカンスタイルの雰囲気に作り込んでいました。

 そんな中、ホンダは1982年に新設計となる排気量749ccの狭角V型2気筒エンジンを搭載した本格的なアメリカンスタイルのカスタムモデル「NV750カスタム」を市場に投入します。

 1985年には排気量399ccの同じくV型2気筒エンジンを搭載する「NV400カスタム」が登場し、アメリカンスタイルの中型車もVツインエンジンの時代に突入します。

 盛り上がるアメリカンブームに乗って、ホンダはさらなる新型車「STEED 400(スティード400)」を登場させます。

「スティード」はユーザーがイメージするアメリカンスタイルそのもので、低く長いシルエットはそれまでの日本製アメリカンバイクを超えたインパクトを持っていました。

 狭角Vツインエンジンは挟み角52度のSOHC3バルブと「NV400カスタム」と同じですが、ボア×ストロークも異なる新設計エンジンです。クルーザーのユーザーが好む力強い鼓動感を、美味しい回転域で味わえるように低中速のピックアップを最優先して設計されています。

 車体デザインは、ヘッドパイプからリアアクスルまで一直線に見えるように構成され、エンジンを三角形で抱え込むデルタシェイプとなっています。

 視覚的にリアショックを隠し、リジッドフレームのような古典的なスタイルは、低いシート高と長いホイールベースによって「スティード」をより個性的に見せています。

 一方、後方からはリアフェンダーのカーブラインと170/80-15のワイドなリアタイヤにより、ボリューム感のあるリアビューとなっています。

 小ぶりでスタイリッシュなティアドロップ型の燃料タンクやルーズクッションシート、さらにハンドルやメーターまわり、アルミバフ仕上げのトップブリッジや足まわりなど、質感にこだわった作り込みです。