ずっと独身で過ごすつもりなので、老後に向けて「貯蓄」を考えています。65歳を過ぎると1ヶ月にいくら生活費がかかるのでしょうか?

AI要約

物価の上昇が続く中、65歳以上の単身無職世帯における平均消費支出額を紹介。

食料費が支出の大部分を占めることや、老後に支給される公的年金の受給額なども考慮。

平均消費支出額と老後の公的年金受給額を比較して、生活維持が難しい場合もあることを示唆。

ずっと独身で過ごすつもりなので、老後に向けて「貯蓄」を考えています。65歳を過ぎると1ヶ月にいくら生活費がかかるのでしょうか?

物価の上昇が続く昨今、自分たちが65歳を迎えて退職したあと、生活を維持できるのか不安に感じる方も多いでしょう。貯蓄額や年金の受給額によっては、必要最低限の生活を維持できないケースもあるかもしれません。

今回は、単身で老後を迎える際にかかると予想される生活費について解説します。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯における1ヶ月あたりの平均消費支出額は、14万3139円でした。

詳細な内訳は、表1のとおりです。

表1

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」を基に筆者作成

表1のうち、最も支出割合の大きい項目は「食料費」の3万7485円です。30日換算であれば、1食あたりの予算はおよそ417円です。自炊のみなら十分達成できそうな金額ですが、外食の割合が多くなれば難しいかもしれません。老後は体力が落ちる分、すべての食事を自炊で賄いきれるとは限りません。また、火の扱いにも注意が必要です。

老後は外食や惣菜類の比率が上がることが予想されるため、今後の食材価格の高騰も加味するなら、予算にはもう少し余裕を持たせたほうがよいでしょう。

ただし、表1の数値はあくまで平均額であって、誰にでも当てはまるわけではありません。目安にはなるものの、実際にかかる支出額として1ヶ月15万円程度は想定しておいたほうがよいでしょう。

■老後に支給される公的年金はどれくらい?

基本的に65歳からは老齢基礎年金を受給でき、会社員として働いていた人は老齢厚生年金も受け取れます。厚生労働省によると、令和4年度末時点の平均年金額は、老齢基礎年金で1ヶ月あたり5万6316円、厚生年金では老齢基礎年金の額も含めて1ヶ月あたり14万4982円です。

前述のとおり、平均消費支出額は月14万3139円であるため、厚生年金の平均年金受給額であればギリギリ賄えるレベルといえます。ただし、支出と年金受給額が平均通りだったとしても、老後に住宅の修理や車の買い換えなどまとまったお金が必要になれば、年金だけで賄いきるのは難しいかもしれません。