【10年ひと昔の新車】オープンならもっとスーパーになれる、ランボルギーニ ガヤルド スパイダー

AI要約

10年前のランボルギーニのオープンモデル、ガヤルド スパイダーLP550-2の試乗記。

車両重量軽量化の影響で軽快な走りが楽しめるが、4WDに比べて安定性はやや劣る。

スーパーカーらしい走りを楽しむのもよし、オープンエアでジェントルなドライブも可能。

【10年ひと昔の新車】オープンならもっとスーパーになれる、ランボルギーニ ガヤルド スパイダー

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ランボルギーニ ガヤルド スパイダーだ。

「スーパーカー」という言葉を聞けば、「ランボルギーニ」の名を真っ先に思い浮かべる人も多いのではないだろうか。しかも、クローズドのクーペのほうがより走りを楽しむことができるかもしれないが、オープンモデルのほうが、もっとスーパーな感覚を味わえるに違いない!

というわけで、今回ノリノリの気分で借り出したのは、ランボルギーニのガヤルド スパイダー。それも最新モデルのLP550-2スパイダーだ。これまでガヤルドのオープンモデルといえば、LP560-4スパイダーしかラインナップされていなかったが、車名が示すようにこちらは2WD(RWD)となる。

AWD(4WD)のLP560-4より車両重量は30kg軽いから、走りの印象は軽快だ。そのぶん最高出力は10psおさえられているから、パワー/ウエイト レシオはほとんど変わらないのだが、やはりフリクションなどが少なくなっているから、軽さは伝わってくる。

もちろん、安定度はやはり4WDのほうが上だろう。硬めの足まわりはいかにもスーパーカー的に割り切られたものと感じられ、それはそれで良いのだが、ミッドシップRWDにオープンのボディなので、フロントの接地感がやや薄いのは事実。路面のつなぎ目などでニュルッとくると、ハイパワーなぶん、一瞬ヒヤリとさせられる……。

もちろん、そんな予感がするだけで、実際には何事か起こるところまでは至ることはないし、ハンドリングも予想以上に素直で、変なクセがなく扱いやすい。車名の由来となった18世紀スペインの闘牛飼育家、フランシスコ・ガヤルドの躾が行き届いているのか?なんて、つまらない想像をしてしまうほど。

ただし、これはドライブモードを「スタンダード」にして走っているときの話だ。「コルサ(CORSA)」モードに入れると、ESPもかなりのドリフト角まで許容してくれるそうなので、アグレッシブな走りが堪能できることは間違いない。とはいえ、公道では試せるような場所も機会も、まずないと思われるが・・・。

そもそもオープンカーなのだから、もっとシチュエーションを楽しんだほうがいいだろう。車両重量はクーペモデルより140kgも重いから、やはり走り出しからして重いなという印象は否めない。ちなみに、6速で80km/h走行時のエンジン回転数は約1950rpm、100km/hでは約2300rpmと、思った以上に回転数はおさえられている。

したがって、V10エンジンのサウンドを抑えたクルージングも可能だ。外見こそ派手だけれど、意外とジェントルにオトナの走りもできるというわけだ。

熱いハートとTPOをわきまえた立ち居振る舞い。ランボルギーニ ガヤルドを手に入れることができるなら、やはりクーペよりはスパイダーのほうがいいかな、なんて思いながらスーパーなオープンエア モータリングを楽しんでしまった。

●全長×全幅×全高:4345×1900×1184mm

●ホイールベース:2560mm

●車両重量:1520kg

●エンジン:V10 DOHC

●総排気量:5204cc

●最高出力:405kW(550ps)/8000rpm

●最大トルク:540Nm(55.1㎏m)/6500rpm

●トランスミッション:6速AMT

●駆動方式:縦置きミッドシップRWD

●燃料・タンク容量:プレミアム・80L

●EU総合燃費:7.2km/L

●タイヤサイズ:前235/35ZR19、後295/30ZR19

●当時の車両価格(税込):2443万6000円