名車[ホンダ・シティ]今見てもすごくない!? まさに当時のドリームカーすぎる!

AI要約

ホンダ・シティは、80年代に登場し多くの革新的な機能を搭載したクルマであり、「初もの」が数多く取り入れられていた。

シティは、世界初の圧縮比10を実現したCOMBAXエンジンや日本初のFEインジケーターなど、燃費向上や運転支援機能において先駆的な技術を導入していた。

また、F.R.Mアルミコンロッドなどの新機能を続々と追加し、常に世界初の技術を取り入れていたシティは、初ものづくしの名車としてカルチャーに残る存在となった。

名車[ホンダ・シティ]今見てもすごくない!? まさに当時のドリームカーすぎる!

 世界初、日本初、クラス初など、新型車のアピールには「初もの」が多い。ただ、かつてそのインパクトで一世を風靡したホンダ・シティは、こんなにあるの?というくらい「初」のものが多かった。多くのクルマファンを虜にした、80年代の名車、ホンダ・シティを振り返る。

 文:佐々木 亘/画像:ホンダ、ベストカーweb編集部

 ホンダがフルモデルチェンジを機に車格を上げたシビックに代わって、1.2Lクラスのボリュームゾーンを任せたクルマが、シティである。

 1981年に登場したシティは、同時発売された折り畳み式の50バイク、モトコンポを荷室に収納できる驚きのクルマとして登場した。「シティはニュースにあふれてる」のコピーそのままに、新しいことがふんだんに詰め込まれたクルマだったのだ。

 グレード展開は、遊びのアイデアぎっしりのRシリーズ、運動神経ナンバー1のTURBO、サイフのヒモしっかりのEシリーズの3つに分けられた。機能性も運動性能も経済性も、一手に引き受けるニューモデルがシティである。

 まずはシティに搭載されたエンジンを見ていこう。COMBAX(コンバックス)エンジンと呼ばれたこのエンジンは、無鉛ガソリンエンジンで世界初の圧縮比10を実現している。高圧縮下でもノッキングを起こさずに、高出力・低燃費を実現した。

 ここに、高性能のターボチャージャーや、2段ブーストコントロールといった新機能を搭載し、国産小型車トップクラスの超低燃費を実現している。さらに、日本初のFEインジケーターを搭載したのも話題になった。

 燃費向上の名アドバイザーと称されたFEインジケーターは、最適ギアで走行しているか、シフトアップやダウンをすべきなのかを教えてくれるものだ。つまり、経済的な運転かどうかを、コンピューターがエンジン回転数や負荷、速度をチェックして、的確に指示してくれる。今では当たり前の装備だが、ECOドライブインジケーターの先駆けは、シティだったのだ。

 また、量産車で世界初のF.R.M(Fiber Reinforced Metalの略で、繊維強化金属)アルミコンロッドを採用した、低燃費使用のEグレードを1985年に追加した。一部改良でも、しれっと世界初を追加してくるシティは、まさに初ものづくしのクルマなのである。