「え、主人公死んじゃうの…?」あまりに劇的すぎた90年代ドラマ「傑作最終回」

AI要約

『振り返れば奴がいる』は、90年代に放送された衝撃的なドラマで、主人公たちの波乱万丈な人生と最終回の展開が記憶に残る作品である。

主役の天才医師と外科医が互いに対立しながらも、命を救うために力を合わせる姿が描かれ、感動を呼んだ。

織田裕二演じる主人公の死、そして作者や俳優の思いが込められたラストシーンは、視聴者に大きな衝撃を与えた。

「え、主人公死んじゃうの…?」あまりに劇的すぎた90年代ドラマ「傑作最終回」

 ドラマはその時代の世相やブームを反映している。現在放送されているドラマは多様性の社会などもテーマになっており、身近で起こりそうな出来事が描かれていることも多い。

 しかし90年代のドラマはちょっと違った。「普通はこんなこと起こらないだろう……」という展開も、よく見られたように思う。

 なかでも、インパクトが残っているドラマといえば、主人公が波乱万丈な人生を送った挙げ句、最終回に死んでしまうパターンである。今回はそんな衝撃すぎた90年代ドラマの「傑作最終回」について振り返っていきたい。

※以下、ドラマ『振り返れば奴がいる』、『高校教師』、『もう誰も愛さない』についてのネタバレが含まれます。

『振り返れば奴がいる』は、1993年1月よりフジテレビ系列の「水曜劇場」で放送されたテレビドラマである。今やヒットメーカーである脚本家・三谷幸喜さんの“連ドラ”初作品としても有名だ。

 主役は織田裕二さん演じる天才医師・司馬江太郎と、石黒賢さん演じる外科医・石川玄。本作の大まかなあらすじはこうだ。医師の司馬は、腕は超一流だが患者には冷酷。対して、石川は患者を大切にする医師であり、2人はことごとく対立していく。本作は、クールな男性医師同士のプライドをかけた闘いが描かれたドラマであった。

 そんな中、石川が重篤な病に侵されていることが発覚。対立していた司馬だったが、医師として石川の手術に全力で臨む。手術自体は成功したが、石川の容体は急変し、亡くなってしまう。石川が亡くなる間際、司馬が一生懸命に胸骨圧迫をしながら「戻ってこい、石川!」というシーンは、視聴者の涙を誘ったものだった。

 その後、司馬も、司馬に恨みを持っていた男(司馬に罪をきせられて解雇された元医師)から刺され、路上に倒れてしまうのであった。 

 司馬が亡くなったかどうかは劇中で明言されていないが、主役2人がともに倒れるという衝撃的な最終回だった。しかし、実は三谷さんの脚本では当初司馬は死ぬ予定はなかったという。この司馬が刺されるシーンを提案したのは、なんと本人を演じた織田さんだった。それを聞いた三谷さんが、急遽台本を書き換えたという逸話が残っている。