「なぜ許されると思ったのか」「契約解除はやり過ぎでは」。男性の体臭に苦言を呈して“クビ”の川口ゆりアナ。過去には「わざわざ言う必要があるのかには慎重に」との投稿も。

AI要約

フリーアナウンサーがSNSで男性の体臭について発言し、炎上して所属事務所との契約解除となった経緯。

ジェンダーをめぐる表現の変化や、言葉を扱う仕事への視点が変化していることについて考察。

男性蔑視や言葉の重要性について、ネット上の反応や契約解除の理由についての背景。

「なぜ許されると思ったのか」「契約解除はやり過ぎでは」。男性の体臭に苦言を呈して“クビ”の川口ゆりアナ。過去には「わざわざ言う必要があるのかには慎重に」との投稿も。

 フリーアナウンサーの女性が、SNSにおいて「男性の体臭」について発言したところ、非難を浴び、所属事務所を契約解除となった。

 筆者はネットメディア編集者として、これまで多くの炎上を見てきたが、ネットユーザーから「男女が逆だったら炎上必至だ」といった指摘があるように、ここ最近で「男性蔑視」との指摘による発火が増えてきたと感じる。加えて、世間から求められる「アナウンサーの職能」についても考えさせられる。

 そこで今回は、経緯を振り返りつつ、ジェンダーをめぐる表現の変化や、「言葉」を扱う仕事への視線について考えてみよう。

■ 臭う男性に苦言呈し、事務所の契約が解除に

 話題になっているのは、フリーアナウンサーの川口ゆりさんによる投稿だ。川口さんは2024年8月8日、Xで「ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど、夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる」と投稿し、シャワーを浴びたり、汗拭きシートや制汗剤を使用したりするよう呼びかけた。

【画像7枚】「夏場の男性の匂いや…」は男性を蔑視?  川口アナの実際の投稿と、炎上後の謝罪文

 このXポストは後に削除されたが、「男性の匂い」と性別を限定していたことで、「男性蔑視ではないか」との指摘が相次ぎ、炎上状態となった。

 事態を重く見た所属事務所の「VOICE(ヴォイス)」は8月11日、前日の10日をもって、川口さんとの契約を解消したと発表。「異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為が認められたことから、当社はアナウンス事務所として、所属契約の維持は困難と判断し、やむなく契約解除通知をするに至りました」と説明した。

 同日には、ビジネス研修事業を行う「青山プロダクション」も、提携講師であった川口さんとの所属契約解消を発表している。「ハラスメント防止研修講師として複数回依頼いたしましたが本人による異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為が認められ、契約の維持は困難と判断」したとのことだった。

 契約解除を受け、川口さんも「言葉を扱う仕事をしている者として未熟でした」と謝罪しているが、「男性を蔑視したからには当然だ」「男女が逆であったら炎上必至なのに、なぜ許されると思ったのか」というようにSNSユーザーからのバッシングは絶えない。ではなぜ、ここまで燃え上がっているのか。