中国不動産開発の万科、ムーディーズがまた格下げ-すでにジャンク級

AI要約

格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、中国の不動産開発大手、万科企業の格付けを引き下げ、財務の健全性に関する懸念を表明した。

万科は市場の低迷と損失の拡大に直面し、資金繰り支援を受けつつも過剰債務の削減に苦戦している。

万科の債務残高は膨大で、長期リスクに対する懸念が強まっている。

中国不動産開発の万科、ムーディーズがまた格下げ-すでにジャンク級

(ブルームバーグ): 格付け会社ムーディーズ・レーティングスは13日、中国の不動産開発大手、万科企業の格付けを「Ba3」から「B1」に1段階引き下げると発表した。すでにジャンク(投資不適格)級に沈んでいた格付けをさらに下げることになり、資金繰り難や販売減少に見舞われる万科への圧迫の強まりが浮き彫りとなった。

3月に万科の格付けを投資適格級からジャンク級の「Ba1」に引き下げていたムーディーズは今回の格下げについて、契約販売の低迷や利益率への継続的な圧力が予想されることを反映していると説明した。

ムーディーズは4月に入って万科の格付けを「Ba3」へとさらに引き下げていた。万科側はその際、「経営や資金調達、流動性に関する当社の取り組みを十分に考慮していない」と反論していた。

S&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスも万科の格付けをジャンク級としている。

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万科は国内銀行からの資金繰り支援で一定の成果を上げ、過剰債務の削減にも取り組んでいるが、中国不動産市場の低迷が続き、財務の健全性を巡る懸念は根強い。

ブルームバーグの集計データによると、万科の公募債とローン残高は計1285億元(約2兆6400億円)。

万科の2025年償還ドル建て債(表面利率3.15%)は14日、額面1ドル当たり86セント前後で取引される一方、29年償還ドル建て債(表面利率3.5%)は同54.4セントにとどまっており、長期リスクへの懸念が強いことを示唆している。

原題:Vanke’s Rating Cut Deeper Into Junk Territory on Weak Sales(抜粋)

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