アジアや米国と「直接」つながる...より多くのアジア人富裕層がニセコに!? 今後も進むニセコの開発

AI要約

ニセコは海外からの富裕層を引き寄せるために新千歳空港の便利さを活かしている。

羽田─新千歳間は世界最大級の航路であり、新千歳からニセコまでのアクセスも便利。

ニセコは新千歳空港の拡張計画や新しい国際便の誘致により、さらなる成長が期待される。

アジアや米国と「直接」つながる...より多くのアジア人富裕層がニセコに!? 今後も進むニセコの開発

今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。

*『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第42回

『ニセコにプライベートジェットの飛行場を...LCCに乗る日本の庶民より《外国人富裕層》を取り込むために必要なコト』より続く

ニセコにとって新千歳空港の存在は大きい。海外スキーヤーの場合、新千歳までの直行便以外に、海外からニセコに向かう場合、成田や羽田などを経由して新千歳に向かうことになる。東京など首都圏からのスキーヤーはほぼ100%新千歳経由のはずだ。羽田空港と新千歳空港の間は、約1時間45分で結ばれており、新千歳からニセコまでは車で約2時間30分だ。羽田─新千歳間は、1日当たりの定期運航数が世界最大級の航路である。年末年始などを除けば、航空会社や時間帯を選ばなければ、直前でも飛行機が取れないということはまずないはずだ。これは実は、大変大きなアドバンテージだ。

たとえば、富良野スキー場の場合、最寄りの旭川空港からは車で約1時間と、空港からの距離はニセコの半分で済むことになる。しかし、羽田便を新千歳と比べた場合、就航する航空会社も運航便数も圧倒的に少なく、選択肢も限られており、今後もすぐには大きく改善することはないだろう。

更に、新千歳空港は、三菱地所や東急などが出資する新しい運営会社により今後も拡張計画が予定され、運航本数だけでなく、ターミナルビルなど更なる利便性や魅力の向上のための投資が予定されている。国際便においても、すでにあるシドニー便やヘルシンキ便に加え、アジアや米国便などの誘致が成功すれば、ニセコにおいても、更なる海外顧客を得ることになろう。