米軍が中東に空母急行、イスラエル防衛へ増援-ガザ停戦協議に先立ち

AI要約

米国はイランやレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラによるイスラエルへの大規模攻撃を阻止するため、中東で海・空軍の展開を強化した。

オースティン米国防長官は戦闘機「F35C」を搭載した原子力空母「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群の同地域到着を早めるよう指示。

イスラエルの防衛力を強化し、イランの抑止を図る動きの中、イランとヒズボラが報復の意向を示している。

米軍が中東に空母急行、イスラエル防衛へ増援-ガザ停戦協議に先立ち

(ブルームバーグ): 米国はイランやレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラによるイスラエルへの大規模攻撃を阻止するため、中東で海・空軍の展開を強化した。今週はパレスチナ自治区ガザの停戦交渉再開が予定されている。

オースティン米国防長官は戦闘機「F35C」を搭載した原子力空母「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群の同地域到着を早めるよう指示。原子力潜水艦「ジョージア」も派遣した。11日に行われたイスラエルのガラント国防相との電話会談の内容を米国防総省が明らかにした。

これらはイスラエルの防衛力を強化する動きで、イランを抑止する可能性がある。ほぼ2週間前にヒズボラの司令官がレバノンのベイルートで、イスラム組織ハマスの指導者がイランのテヘランで相次ぎ殺害されたことに対し、イランとヒズボラは報復する意向を示している。

イランのバゲリ外相代行は、とりわけハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏の殺害を巡り、イスラエルを罰する決意を改めて表明。米国は大統領選挙を3カ月後に控え、対立激化を回避したい考えだ。イスラエルはハニヤ氏の死について、これまで責任を肯定も否定もしていない。

米国とカタール、エジプトは先週、新たなガザ停戦交渉を15日に開くことを呼び掛けた。10カ月余り前に始まった戦争を巡り、イスラエルとハマスの間で長らく膠着(こうちゃく)状態にある交渉の打開を目指す。ハマスは従来の計画実施を交渉の中心に据えるべきだと主張し、今回の提案に反発している。

フランスとドイツ、英国は12日、交渉の計画を支持し、イランに攻撃を控えるよう促した。

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原題:US Beefs Up Middle East Forces Ahead of Gaza Truce Talks (2)(抜粋)

--取材協力:Chris Miller.

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