ハマス、15日の協議は不参加か 米など仲介の停戦交渉は不透明に

AI要約

パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉を巡り、ハマスが新たな提案を拒否し、過去の交渉に基づく提案を要求している。

イスラエル側が再軍備を避けるための身体検査など新たな要求を提示し、ハマス側は交渉不参加を示唆している。

ハマスは過去の提案の履行を求め、7月2日の合意案に基づく一時休戦を実現し本格的な停戦交渉に入ることを求めている。

ハマス、15日の協議は不参加か 米など仲介の停戦交渉は不透明に

 パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマスは11日、交渉を仲介する米国などの3カ国に対して、イスラエルが新たに示した提案ではなく、過去の交渉に基づく提案を提示すべきだとする声明を発表した。仲介国は15日の協議再開を要請し、イスラエルは交渉団を派遣する意向を示していたが、ハマス側は協議に参加しない可能性を示唆した形だ。

 停戦交渉は、バイデン米大統領が5月末に提案した3段階の停戦案をベースに進められてきたが、イスラエル側が7月下旬、ハマスの再軍備を避けるため、避難民がガザ南部から北部に戻る際の身体検査などを新たに要求。仲介国は今月8日、「双方の期待に沿う形で残りの課題を解決し、最終案を提出する用意がある」と発表していた。

 ハマスは11日の声明で、イスラエルが新たな提案をした後、ハマス最高指導者だったハニヤ氏の暗殺や学校への空爆を実施したことを非難。仲介国に対して「パレスチナ人の虐殺を継続できる時間を与える新たな提案を行うのではなく、イスラエルに過去の提案を履行させることを求める」と主張した。

 ハマスが履行を求めているのは7月2日の合意案。詳しい内容は不明だが、ハマスが停戦の条件としていた「恒久的停戦の保証」を一時棚上げし、まず一時休戦を実現した上で本格的な停戦交渉に入ることを認めたものとみられる。

 中東情勢を巡っては、ハニヤ氏がイランで暗殺されたことを受けて、イランがイスラエルに報復する構えを見せている。英BBCによると、仲介国はガザ地区での停戦の見返りとして、イランに報復をやめさせることを計画している。【エルサレム松岡大地】