「中国にいるのと変わらない」。五輪開催中のパリの街並みが「中国企業だらけ」の不思議な光景

AI要約

パリオリンピックで存在感を放つ中国企業の活動について。

日本の雑貨チェーンMINISOの応援幕やショップ、中国ブランドの成功例を紹介。

パリ五輪を機会に欧州市場進出を果たす企業の展望。

「中国にいるのと変わらない」。五輪開催中のパリの街並みが「中国企業だらけ」の不思議な光景

 連日熱戦が繰り広げられているパリオリンピック。場外で存在感を放つのが、中国語の応援幕や中国企業の期間限定店舗だ。

 五輪の集客力への期待がにじむが、現地の中国人からは「中国にいるのと変わらない」との声も漏れる。

■ちいかわコラボの雑貨店も

 パリ五輪開幕前日の7月25日(現地時間)、セーヌ川のほとりに赤と白の応援幕が出現した。

 エッフェル塔を背にした“映える”応援幕には中国人選手を応援する漢詩が書かれている。仕掛けたのは日本でも知名度が高い中国雑貨チェーン名創優品(MINISO)だ。

 同社は「ユニクロと無印良品とダイソーを足して3で割ったような」店構えと、日本語が書かれた商品、インテリアで日本企業を装い、中国内外に店舗を増やしていった。

日本ブランドを偽装する手法がネットで炎上した2022年に「脱日本化」を宣言し、かつてのような日本風味は薄れていた(過去記事:無印ユニクロに酷似、中国企業が陥った「三重苦」)。

 一方で、今年は日本の漫画キャラクターの「ちいかわ」のコラボ商品が大ヒットするなど絶好調だ。

 6月22日には、高級ブランド店が並ぶパリのシャンゼリゼ通りに旗艦店をオープンした。

 約800平方メートルの店舗には、ちいかわのほかサンリオやディズニー、バービーなどの人気キャラクターのグッズが並ぶ。同社によると開店日の売り上げは海外店舗として過去最高を記録した。

 中国は消費不況に陥っているが、名創優品の業績の2024年1~3月の売上高は前年同期比26%増の5億1570万ドル(約760億円)、牽引役は110市場2596店舗を展開する海外市場で、海外売上高は52.6%伸び1億6920万ドル(約250億円)に達した。

 ヨーロッパ市場への期待は大きく、葉国富会長兼最高経営責任者(CEO)は「5年で欧州1000店舗」を目標に掲げる。同社にとってパリ五輪は野心を全世界に表明する格好の機会というわけだ。

■ルーブル美術館近辺に、アートトイの新店舗

 アートトイ(ミニフィギュア)を製造販売するPOP MARTも7月27日、ルーブル美術館と地下でつながったショッピングセンター「カルーセル・デュ・ルーヴル」に新店舗をオープンした。