〔NY外為〕円、146円台後半(9日)

AI要約
ニューヨーク外国為替市場では、円が買われドルが売られ、円相場が146円台後半に上昇した。米労働市場の底堅さやFRBの利下げ期待が影響している。米主要経済指標の発表が少ない中、商いは控えられ週末の持ち高調整も影響している。来週のPPIやCPI発表が注目されている。ユーロはドルに対して下落し、対円でも円安傾向。

 【ニューヨーク時事】週末9日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の低下を背景に円買い・ドル売りの流れが優勢となり、円相場は1ドル=146円台後半に上昇した。午後5時現在は146円58~68銭と、前日同時刻(147円21~31銭)比63銭の円高・ドル安。

 前日に発表された米週間新規失業保険申請が市場予想を下回り、労働市場の底堅さを示唆する内容となったことから、市場では米景気減速に対する過度な警戒感が後退した。またリッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は8日、オンラインの対談イベントで、米労働市場に関して、雇用増がまだ保たれていると発言。直近の失業率やインフレ率などを考慮すると、経済は「正常に見える数字に近づいている」と強調した。米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げ期待が高まる中、この日の米長期金利は低下。日米金利差縮小の観点から、相場は円高・ドル安地合いで推移した。

 ただ、この日は米主要経済指標の発表に乏しく新規の手掛かり材料難の中、積極的な商いが控えられたほか、週末を控えた持ち高調整の動きも強まった。

 来週には7月の米卸売物価指数(PPI)や米消費者物価指数(CPI)などの発表を控えており、足元のインフレ動向を探る上で注目が集まっている。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0910~0920ドル(前日午後5時は1.0914~0924ドル)、対円では同160円07~17銭(同160円69~79銭)と、62銭の円高・ユーロ安。