大阪万博「子ども専用列車」検討も、車内で“50分立ちっぱなし”の可能性? 学校現場の不安が全く消えない根本理由とは

AI要約

2025年の大阪・関西万博には不安要素が残る中、大阪府が府内の小中高生らを招待する専用列車の構想が示された。

万博会場の工事は進行中だが、海外パビリオンの予定地には工事が入っておらず、府民の盛り上がりも高まっていない。

大阪府の招待事業に対し不安もあり、大阪メトロが専用列車や優先列車を運行する案が提案された。

大阪万博「子ども専用列車」検討も、車内で“50分立ちっぱなし”の可能性? 学校現場の不安が全く消えない根本理由とは

 2025年の大阪・関西万博に大阪府が府内の小中高生らを招待する事業で、専用列車が運行される構想が示された。だが、現場の教員や保護者らの不安が解消されたわけではない。

 大阪市淀川区の人工島・夢洲(ゆめしま)を対岸の舞洲から双眼鏡で眺めると、万博会場に立つ多数の工事用クレーンと世界最大級の木造建築物「大屋根リング」が目に飛び込んでくる。大屋根リングはあと少しで1周約2kmがつながるところまで工事が進んだものの、海外パビリオンの予定地は工事に入っていない場所が少なくない。

 大阪・関西万博は2025年4月の開幕まであと約8か月。2万人のボランティア公募に約5万6000人が応募する明るいニュースがあった一方で、

・工事の遅れ

・開催費の増加

など暗い話題が続く。府民の盛り上がりもそれほど高まっていないように見える。

 そんななか、大阪府が力を入れるのが府内の小中高生らを対象とする招待事業だ。しかし、2025年1月末に会場がある夢洲に延伸する大阪メトロ中央線の混雑が予想されるうえ、

「観光バス不足」

が深刻さを増すことから、学校現場などから不安の声が出ていた。

 その解決案が、大阪府市と日本国際博覧会協会(万博協会)などが大阪市住之江区で開いた「日帰り教育旅行の輸送に関する検討会」で示された。大阪メトロが中央線に

・専用列車

・優先列車

を運行するというものだ。

 専用列車、優先列車とも大阪市中央区の森ノ宮駅にある普段、使用されていない下りホームを専用に利用、朝のラッシュが収まる午前9時半から10時40分ごろまでを出発時間にする。会場に隣接する場所に新設される夢洲駅へ下り線から向かえないため、いったん夢洲と逆方向になる東大阪市の長田駅へ進んだあと折り返す。

 専用列車は森ノ宮駅から夢洲駅まで停車しない。所要時間は約50分。運行期間は開幕から夏休みまでを想定している。優先列車は一般の乗客に利用しないよう呼びかけたうえで、長田駅から夢洲駅まで各駅に停車する。駅までの移動は大阪メトロが学校から森ノ宮駅までバスで送迎する案が提示された。

 大阪府教育庁は子ども招待事業でピーク時に1日

「約1.4万人」

の小中高生らが会場を訪れると見ているが、1日最大約1万人の輸送が可能になるという。大阪メトロは

「9月をめどに輸送計画をまとめたい」

と説明した。