住友生命保険・高田幸徳社長 大きな山を超えてウェルビーイングを実現 My Vision

AI要約

住友生命保険の高田幸徳社長がウェルビーイングの実現や健康増進型保険「バイタリティ」について語る

バイタリティは運動や健康管理によって保険料が変動し、日本でも浸透している

企業の健康経営や従業員への福利厚生型のバイタリティ提供に注力し、中小企業にも浸透した

住友生命保険・高田幸徳社長 大きな山を超えてウェルビーイングを実現 My Vision

住友生命保険の高田幸徳社長は9日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、国際的な課題として注目が集まるウェルビーイング(心身の健康や幸福)の実現に向け、東京大学などと連携したスタートアップ(新興企業)支援に「大同団結することで、大きな山を越えていきたい」と意欲を見せた。自社の基軸とする健康増進型保険「バイタリティ」も「イノベーションの一つの実現だ」と強調。企業の健康増進や生産性向上のため、福利厚生型のバイタリティの提供も「積極的に展開する」と語った。主なやり取りは次の通り。(宇野貴文)

--長寿化に伴い、生命保険会社の果たす役割はどう変わってきたのか

「仏教の言葉に『生老病死』という四大苦がある。死だけでなく、バブル崩壊後の1990年代からは病、2000年代からは老に対する備えも求められるようになった。2010年代、20年代になって人口が減っていき、生きていくためのリスクに備える保障が増えるなか、南アフリカのディスカバリー社が提供している健康増進型保険『バイタリティ』に平成27(2015)年に出会い、30年に日本国内で発売した」

--バイタリティは運動や健康管理の取り組みによって保険料が変動し、さまざまな特典が得られる

「開発前に南アフリカへ見学に行ったが、スーパーや映画館など街の至る所でバイタリティの割引サービスが利用でき、社会に浸透しているのを目の当たりにした。日本国内に導入する当初は社内の抵抗勢力が圧倒的に多かった。『健康なんか売ったら、保険が売れないでしょ』みたいな。しかし、加入者から『人生観が変わった』と言ってもらったり、保険金を支払うとき以外に加入者から『ありがとう』と言われたりといった経験が積み重なり、だんだんと日本でも浸透していった」

--従業員の健康に投資し、戦略的な計画や実践を行う「健康経営」に取り組む企業が増えている

「大企業は比較的、健康経営とかさまざまな福利厚生は実践しているが、中小企業はなかなかそこまで手が回らない。保険に加入しなくても、従業員1人当たり月額330円のサービス料を企業が負担する福利厚生型のバイタリティを7月に発売したところ、今年の年間目標1500社に対して初月で700社から申し込みがあった。企業側も1人330円で従業員のやる気をつけられるなら、安いじゃないかと思ってもらった部分があると思う」

--東京大学、京都大学、博報堂などと7団体・企業でスタートアップを支援する組織「WE AT(ウィーアット)」を5月に設立した意義は