錦織圭も驚愕!「5大会連続メダル」車いすテニス・国枝慎吾の凄みとは?憧れはフェデラー、似てるのはジョコ

AI要約

国枝慎吾さんは車いすテニス界のレジェンドであり、グランドスラム車いす部門で男子世界歴代最多優勝を達成している。彼の初の自著『国枝慎吾 マイ・ワースト・ゲーム』には錦織圭選手を含めたトップアスリートたちとの対談が収録されている。

錦織圭と国枝慎吾はテニスの大会で出会う機会が増え、錦織が2014年の全米オープンでの偉業について話している。国枝は2007年に車いすの4大大会を制し、「年間グランドスラム」を達成した。

国枝は世界ランキング1位になるなど、圧倒的な実績を持つ一方で、「常勝」のプレッシャーを感じてきたという共鳴もある。

錦織圭も驚愕!「5大会連続メダル」車いすテニス・国枝慎吾の凄みとは?憧れはフェデラー、似てるのはジョコ

グランドスラム車いす部門で、男子世界歴代最多優勝を達成し、「車いすテニス界のレジェンド」と称される国枝慎吾さん。初の自著『国枝慎吾 マイ・ワースト・ゲーム』には錦織圭選手を含め、トップアスリートたちと国枝さんの対談を収録している。一流選手だからわかる国枝さんのすごみとは?  本書から一部抜粋・編集して紹介する。

■肌身で感じてきた「常勝」の重圧

 「常勝」の重圧を肌身で感じてきたビッグネームとは、共鳴し合う点が多い。

 ここで、テニス界の同志である錦織圭に登場してもらおう。改まって対談するまでもない、テレビゲーム仲間であり、共にユニクロ所属の「グローバルブランドアンバサダー」として、イベントで一緒になる機会も多い。

 テニスの4大大会は健常者の部の大会後半、車いすテニス部門が同じ会場で開かれる。敗者は荷物をまとめ、早々に帰路につく。観光を楽しむ気分になんてなれないし、次の戦いの地へと旅立つ。

 2014年ごろから、錦織がベスト8に勝ち上がる頻度が増えたことで、次第に国枝と顔をあわす機会が増えていった。2014年の全米オープンは、錦織にとって忘れられない記憶だ。アジア人として4大大会の男子シングルスで初の決勝進出を果たした大会だ。

 その快挙から2年後、国枝について聞いた。

 印象深いシーンとして錦織が挙げたのが、やはり、2014年の全米オープンだった。

 「勝ち進むにつれ、広いトレーニングジムで汗を流す選手がどんどん減っていったんです。とくに最後の3日間ぐらいは、大会序盤はあんなに人がいたのに、僕と国枝さんしかいない場面が何回かあって。なんか日本人2人ですごいなあ、と我ながら思っていましたね。国枝さんが、『試合すごかったね』と声をかけてくれたのを覚えています」

 この年、全米オープンのシングルス、ダブルスの2冠に輝いた国枝の記憶はもっと鮮明だった。

 錦織が世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破った準決勝をジム内にあるテレビで見ていた。

 「帰ってきた錦織くんを待ち受け、イエーイ! とハイタッチで祝福しました」

 先に世界の頂点に立ったのは国枝だ。初めて世界ランキング1位になったのは、2006年秋だった。

 2007年、国枝は当時の「車いすの4大大会」と称されていたオーストラリア、フランス、日本、アメリカでの主要大会をすべて制した。「年間グランドスラム」の完成だ。ちょうど、錦織がプロに転向したのが、この年になる。