30歳の同期が「1000万円」貯めていることが判明しました。「ずっと実家暮らしだから」と言っていますが、実家暮らしはそんなに貯まるものなのでしょうか?

AI要約

実家暮らしのほうが一人暮らしよりも家賃負担が少なく、貯金額も多い傾向がある。

30代の平均金融資産保有額は327万円であり、1000万円以上の貯金を持つ人は10%未満。

一人暮らしをする場合、家賃や光熱費などの費用が毎月かかるため、貯金額が少なくなる可能性がある。

30歳の同期が「1000万円」貯めていることが判明しました。「ずっと実家暮らしだから」と言っていますが、実家暮らしはそんなに貯まるものなのでしょうか?

一人暮らしよりも家賃負担が発生しない実家暮らしのほうが、手元に残せるお金は多い傾向です。一人暮らしをする場合、借りているアパートやマンションの家賃にもよりますが、毎月家賃を支払わなければならないからです。

実家暮らしの場合、家にお金を入れることはあるにしても、家賃ほどの額を支払っていないのではないでしょうか。そのため、入社後数年や30歳の人でも「ずっと実家暮らしだから」ということから、1000万円近くの貯金が実現するケースも有り得るでしょう。

本記事では、30代の平均金融資産や一人暮らしをする場合にかかる費用などを解説します。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」によると、30代の平均金融資産保有額は327万円、中央値は70万円です。中央値とは数値を小さい順から大きい順、または大きい順から小さい順に並べた際に中央に位置する値を意味します。

なお、30代の金融資産保有額別の割合は図表1のとおりで、1000万円以上の金融資産を保有している人は10%にも満たない状況です。

【図表1】

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より筆者作成

また、金融資産非保有者は31.1%、100万円未満の者が19.9%とのことで、30代で1000万円貯蓄がある人よりも、貯蓄なし、貯蓄があっても少額の傾向にあることが分かるでしょう。

■20歳代は113万円

30代の平均金融資産保有額は327万円ですが、20代になると113万円、中央値8万円にまで下がります。金融資産非保有者は43.2%、100万円未満の人が28.3%です。20代でも20代前半と後半とでは状況が違うかもしれません。しかし、30代にかぎりなく近い20代後半のなかには金融資産非保有者が多い可能性が高いことを認識しておくとよいでしょう。

一人暮らしは実家暮らしとは異なり、家賃や光熱費を毎月支払わなければなりません。実家暮らしであればこれらの費用をおさえたり、一人暮らしと比べて少額で済んだりしているケースもあるでしょう。

全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」によると2024年6月現在、部屋数別の平均家賃は、1部屋5万2994円、2部屋5万9031円、3部屋6万6873円で、総平均賃料は5万6982円です。ただし、平均賃料は都道府県によって異なり、もっとも総平均賃料の高い東京都ともっとも安い山口県を比べると図表2のような金額差があります。

【図表2】