〔NY外為〕円急伸、144円台前半=一時7カ月ぶり高値(5日)

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、週明けに円が急伸し、1ドル=144円台前半に到達。米雇用統計の影響や日銀の政策による円の買い戻しが背景に。

米サービス業のPMIが予想を上回り、景気の底堅さを示唆。これによってドルが買われ円相場は上昇。

シカゴ連邦準備銀行の総裁は、景気後退の兆候は見られないとコメント。ただし、必要に応じて金融緩和の対応を取るとも述べた。

 【ニューヨーク時事】週明け5日のニューヨーク外国為替市場では、円買い・ドル売りが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、円相場は1ドル=144円台前半に急伸した。一時1月上旬以来約7カ月ぶりに141円台後半を付けた。午後5時現在は144円14~24銭と、前週末同時刻(146円43~53銭)比2円29銭の大幅な円高・ドル安。

 前週末に公表された米雇用統計では労働市場の一段の軟化が示唆され、海外市場では米景気後退懸念を背景に円買い・ドル売りが進んだ。日銀が7月末に追加利上げを決定したことを受け、日米金利差縮小を意識した円の買い戻しの動きも継続した。

 海外市場の流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は142円29銭で取引を開始。ただ、米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した7月のサービス業購買担当者景況指数(PMI)は、市場予想(51.0=ロイター通信調べ)を上回る51.4となり、前月から2.6ポイント上昇。サービス業の景気拡大と縮小の分岐点である50も上回った。景気の底堅さを示唆する内容と受け止められ米長期金利が上向きに転じるとドルが買い戻され、円は上げ幅を圧縮した。

 一方、シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁はこの日、CNBCテレビのインタビューで、7月の雇用統計で労働市場の予想を上回る鈍化が確認されたことに関して、「まだ景気後退の様相ではない」と発言。ただ、雇用情勢などが一段と悪化すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和で対応するとの見方を明らかにした。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0945~0955ドル(前週末午後5時は1.0905~0915ドル)、対円では同157円86~96銭(同159円82~92銭)と、1円96銭の大幅な円高・ユーロ安。