空冷エンジンの究極形態!? ホンダ「CBX」DOHC6気筒エンジンの迫力!!

AI要約

ホンダのバイク用6気筒エンジンには、RC166やゴールドウイング、そしてCBXなどが存在し、それぞれ時代背景において特徴的な位置づけを持つ。

バイク愛好者の中にはメカニズムに興味を持たない人も多く、自分に合ったバイク選びが重要となっている。

1980年代にはCBXの登場でスポーツバイク市場が1000ccクラスの時代に突入し、技術競争が激化していた。

空冷エンジンの究極形態!? ホンダ「CBX」DOHC6気筒エンジンの迫力!!

 ホンダのバイク用6気筒エンジンと言えば、1966年のGPレーサー「RC166」や、現行モデルでは水平対向6気筒の「ゴールドウイング」があります。そして1979年型の輸出向け車両として、排気量1000ccクラスのスポーツバイク「CBX」がありました。

 現在では「バイクを愛してやまないけれど、メカニズムには全く興味がない」というライダーも珍しくありません。エンジンの排気量や気筒数にとらわれず、自分にフィットするバイク選びも、ある意味では正解かもしれません。

 一方、ホンダ「CBX」が発売された1980年頃は、最新のメカニズムこそ、そのバイクを輝かせる最も大事な要素でした。次々と発売されるバイクには新しいエンジンが搭載され、各メーカーが互いに追いつけ追い越せと、開発合戦を繰り広げていました。

 新しいバイクは、それまでのモデルよりも高性能で速く、新車を買えば注目が集まり、乗っているだけでヒーロー気分でした。ホンダ「CBX」のエンジンは、そんな時代のメカニズムの頂点とも言える存在でした。

「CBX」が生まれた時代を振り返えると、1969年にホンダは「CB750フォア」を発売し、名実ともに世界ナンバーワンのバイクメーカーとなりましたが、ほどなくして各メーカーからライバル車が続々と発売されます。

 1980年代を前に、スポーツバイクの排気量は1000ccクラスの時代に入りました。DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)の4気筒が定番となり、中には1100ccのモデルもありました。ホンダは時代遅れとなった「CB750フォア」の後継車として「CB750/900F」に加え、海外市場へ向けてより大きくて高性能な「CBX」をフラッグシップとして開発したのです。

「CBX」の注目ポイントは、排気量1047ccの空冷4ストローク並列6気筒エンジンです。実車を見ると、説明しなくてもその壮大なエンジンの存在感に目を奪われることでしょう。

 単純に、2気筒より4気筒、さらに6気筒と、気筒数が多い方が高性能で滑らかに回転するエンジンとなります。しかし生産コストが高いなど、現在のスポーツバイクの多くが4気筒を採用しており、6気筒はごく一部のモデルにしか採用されないプレミアムなエンジンです。

 しかも「CBX」のエンジンは1気筒あたり4本のバルブ、6気筒で合計24本ものバルブをDOHCで正確に作動させました。高回転での伸びが良く、最高出力も並外れた105PSを発揮しました。