伊藤忠がデサントにTOB 完全子会社化へ

AI要約

伊藤忠商事が子会社のBSインベストメントを通じてデサントにTOBを実施することを発表。目的はデサントの完全子会社化と上場廃止で、1株4350円で買い付けを行う

伊藤忠とデサントは2019年にも話題となったTOBを実施。経営陣と現場が深く協力し、企業価値の最大化を図る

TOB発表と同時に公開されたデサントの業績は売上高増の一方で、営業利益と純利益が減少。日本や韓国では減収の影響があり、中国は増益傾向が続いている

伊藤忠がデサントにTOB 完全子会社化へ

伊藤忠商事は、100%子会社のBSインベストメントを通し、デサントにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。デサントの完全子会社化、上場廃止を目的とし、1株4350円で買い付けを行う。BSインベストメントは、現時点でデサント株の44.44%を所有している。

伊藤忠とデサントは、2019年にも敵対的TOBで業界内外で話題となった。TOB実施後はデサント内で伊藤忠グループ出身者や伊藤忠からの出向者を増やし、「経営・現場両面で相互理解を深め、協力関係を築」(発表資料から)いてきた。しかし、「コロナの流行以前から(中略)競合企業が成長するスピード感での市場への対応ができていない」と伊藤忠はデサントに対し考えていたという。完全子会社化によって、「企業価値の最大化を図る機動的かつ効果的な施策を実行する」。

TOB実施の発表と合わせて公開されたデサントの24年4~6月期連結業績は、売上高が前年同期比1.2%増の274億円、営業利益が同65.0%減の6億円、純利益が同14.2%減の27億円と大幅減益だった。「日本は卸売業態の売り上げ減少に伴う減収と、販管費増加で営業減益」「韓国はゴルフ市場低迷で減益」「中国ではリブランディング費用の先行投資が続くも(中略)実態利益ベースでは増益」だった。